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1996年計算力学部門賞贈賞報告
白鳥正樹
計算力学部門賞選考委員会委員長
横浜国立大学工学部生産工学科
本部門で1990年度より功績賞、業績賞の2つの部門賞が設けられた。功績賞は学術・教育・学会活動・出版や国際的活動などにおいて計算力学の発展に著しく貢献のあった個人を対象とし、また、業績賞は、計算力学の分野で顕著な研究または技術開発に貢献した個人を対象としている。1996年度部門賞の選考経緯と結果を以下に報告する。まず、学会誌等を通じて部門賞候補者が公募され、それをもとに5名の選考委員による慎重審議を行って、功績賞1名、業績賞2名を選出し、運営委員会に諮り満場一致で了承された。
功績賞は東北大学工学部の齋藤武雄教授に贈賞された。齋藤教授は熱伝導、燃焼、凍結、融解の研究を行ってきたが、最近では環境問題に着目し、都市温暖化、地球温暖化、潜熱蓄熱、太陽エネルギー利用自立家屋の研究などを行っている。これらの研究は9冊の著書と228編の論文にまとめられ高く評価されているが、中でも同氏が1978年に発表したBF法(Boundary Fixing Method)は国際的に第一級の評価を得ており、内外の91編の論文に引用されている。このように同氏 は計算力学の発展に大きく貢献したほか、1992~1994年には計算力学部門長として同部門主催の国際会議を成功に導いた。
次いで業績賞は信州大学工学部の田中正隆教授および宇宙科学研究所高速流体力学部門の藤井孝藏助教授にそれぞれ贈賞された。田中教授は境界要素法に関係した技術開発を精力的に行い、この分野での業績が顕著である。境界要素法研究会を形成して、国内及び国外での学術講演会や国際会議をたびたびオーガナイズして、境界要素法の発展と普及に大いに貢献している。一方、逆問題への計算力学的解析手法の応用についても顕著な業績がある。逆問題に関するIUTAM国際シンポジウムを世界で最初に東京で開催し、この分野での技術転移の促進に大いに貢献した。
一方、藤井教授は航空機・列車など、物体まわりの流れを数値的に解析するなど、数値解析手法の開発に大きく貢献すると共に、解析結果の映像表示においてもユーザーフレンドリーな表示ソフトを開発するなど、数値流体力学の発展と普及に顕著な貢献をした。
今回受賞された各氏の略歴を以下に御紹介する。
○齋藤武雄博士 御略歴
1965.3 東北大学工学部卒業
1971.3 東北大学大学院工学研究科修了(工学博士)
1971.7 相模工業大学・講師
1972.4 相模工業大学・助教授
1975.4 東北大学工学部・助教授
1982.4 コロラド州立大学客員研究員
1988.3 東北大学工学部・教授
1995.4 東北大学大学院工学研究科・教授、現在に至る。
○田中正隆博士 御略歴
1968.3 大阪大学工学部機械工学科卒業
1973.3 大阪大学大学院工学研究科機械工学専攻博士後期課程修了、工学博士
1973.4 大阪大学工学部・助手
1975.2~1976.11 ドイツ・シュツットガルト大学留学」
1983.4 信州大学工学部・助教授
1987.4 信州大学工学部・教授、現在に至る。
○藤井孝藏博士 御略歴
1974.3 東京大学工学部航空学科卒業
1980.3 東京大学工学系研究科航空学博士課程修了
1980-81 学術振興会奨励研究員(東京大学宇宙航空研究所所属)1981-83 NASA エイムス研究所NRC研究員
1984.1~1984.3 東京大学工学部航空学科・助手
1984-87 航空宇宙技術研究所・研究官
1987.7 同主任研究官
1988.3~ 宇宙科学研究所・助教授、現在に至る。