部門紹介
102期 部門長挨拶
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第102期部門長 |
この度,萩原世也前部門長(佐賀大学)の後を引継ぎ,第102期計算力学部門長を務めさせて頂くことになりました東京工業大学の店橋護でございます.和田義孝副部門長(近畿大学),荻野正雄部門幹事(大同大学),守裕也副部門幹事(電気通信大学),部門運営委員会委員,各種委員会,研究会の皆様をはじめ,計算力学部門に関係される全ての皆様のご協力を頂きながら,計算力学部門の円滑な運営,さらには発展に努めさせて頂きたく存じますので,どうぞ宜しくお願い致します.
日本機械学会員の計算力学部門への部門登録者数は, 2024年4月の時点で第1位~ 5位の合計で5,219名(正員)となっております.これは日本機械学会23部門の中では第3位の規模でございます.部門講演会である計算力学講演会では例年多くの研究発表があり,活発な活動が続けられております. 2023年度は,第36回計算力学講演会が飯田明由先生(第100期部門長,豊橋技術科学大学)を実行委員長として,2023年10月25日(水)~ 27日(金)に愛知県豊橋市において盛大に開催されました.有料参加数は520名であり,この参加規模は日本機械学会の各部門が開催する部門講演会の中で第3位に位置するもので,部門の活動が非常に活発であることを示すものです.なお,講演会自体の収支差では第2位に位置しており,学会運営的にも高く評価されておりますが,収益を上げることが講演会開催の目的ではございませんので,この順位は参考程度に留めて頂ければと存じます.部門講演会の開催は,最新の研究成果の発表,それを介した研究者間の情報交換を行うことで部門活動を活性化するためのものでございます.本年度 2024年度の部門講演会,第37回計算力学講演会は,石本淳先生(東北大学)を実行委員長として,2024年10月18日(金)~ 20日(日)に宮城県仙台市にて開催される予定でございます.
計算力学部門は,材料力学,流体工学,熱工学等の基盤的学術分野に加えて,バイオ,ナノ・マイクロ等の新たな学術分野,さらにはAI技術等の情報科学分野を含む分野横断型の部門でございます.本年度も是非多くの皆様にご参加頂き,活発な議論と情報交換をされることを願っております.
計算力学部門では講習会も活発に行われております.中でも,計算力学技術者2級(固体力学分野の有限要素法解析技術者)認定試験対策講習会は約20年間にわたり継続的に開催されているものであり,昨年度の講習会は参加者数及び収益ともに日本機械学会内で第1位でございました.受講者の多くは計算力学技術者認定試験の合格を目指した産業界の方々であり,本部門の活動が産業界にも十分認知されていることを示しております.近年では,部門間連携が日本機械学会内で推奨されておりますが,本部門では計算力学技術者2級(熱流体力学分野の解析技術者)認定試験対策講習会を,熱工学部門及び流体工学部門との三部門合同でやはり20年近く継続開催してきております.この講習会は部門連携企画の先駆的な取り組みとして高く評価されております.近年では,講習会「機械学習×熱・流体工学の最先端」が熱工学部門と流体工学部門との合同企画として開催されており,毎年多数の受講者を得ております.さらに,機械材料・材料加工部門,材料力学部門との連携企画として講習会「機械材料・材料加工のシミュレーション・計測と力学」は本年度も開催される予定です.
分野連携企画としましては,材料力学部門と合同開催として「M&M・CMD若手シンポジウム2023」が,第99期部門長の高野直樹先生(慶応義塾大学)のご尽力により,2023年8月 7日(月)~ 9日(水)に開催されました.ここでは,若手研究者の発表セッションを介して研究交流や情報交換を活性化するとともに,中堅・シニアの研究者との議論や基調講演等を通じて,若手研究者がさらに研究分野の幅を広げるための機会も提供されました.このシンポジウムにおいて若手研究者により発表された優秀な研究成果は日本機械学会英文ジャーナル( Mechanical Engineering Journal)にて特集号として出版される予定でございます.
国際連携企画としては,コロナ禍で延期となっていた日韓シンポジウムが昨年度復活し,本年度は守裕也副部門幹事及び日韓シンポジウム担当委員会委員長(電気通信大学)により 2024年9月2日(月)に東京有明にて開催予定でございます.是非とも多くの皆様にご参加頂き,コロナ禍で滞った国際交流活動を活発化して頂ければと存じます.
計算力学部門は研究会活動も非常に活発であり,逆問題解析手法研究会,マルチスケール計算固体力学研究会,電磁流体解析関連技術研究会,設計と運用に活かすデータ同化研究会,設計情報駆動研究会が活動しております.このような研究活動を通じてそれぞれの分野の研究がさらに発展することを願っており,部門として継続して支援させて頂ければと思っております.
近年,カーボンニュートラル実現,安全・安心技術の構築,医工連携分野の開拓等,多くの解決すべき課題が山積しておりますが,これらの課題解決に計算力学が貢献できる部分は多々あるかと存じます.計算力学部門がこのよう課題解決に向けた重要な情報交換の場となることに加えて,計算力学部門の活動が新たな技術的課題や研究テーマ等の提言・提案,新たな学問領域等の創出につながるよう尽力させて頂きたく存じますので,皆様のご支援を賜りますようお願い申し上げます.