部門紹介
98期 部門長挨拶
第98期部門長 |
この度、松本敏郎前部門長(名古屋大学)の後を引き継ぎ、 第98期計算力学部門長を務めさせていただきます。高野直樹副部門長(慶應義塾大学)、只野裕一幹事(佐賀大学)、伊井仁志副幹事(東京都立大学)、部門運営委員会委員、各種委員会 や研究会の皆様をはじめ、関係する全ての皆様のお力添えのもとに、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響下での大変な状況での運営となりますが、計算力学部門のさらなる発展に努めてまいりたいと思います。 計算力学部門は、設立後30年を超えましたが、固体力学や流体力学などの基盤的分野を骨格として、工学から理学にまたがる他分野との横の連携が図られている理想的な活動部門として発展してきております。日本機械学会の特徴の一つとして、非常に多くの領域から様々な専門を持つ人たちが集まっていることが挙げられますが、計算力学部門は、その中で、多様な専門を持つ人たちが知識を共有し、さらには新しい知識・技術を作り出す重要な役割を担っていると考えます。
さて、日本機械学会員の計算力学部門への部門登録者数は、2019年11月の時点で第1位~ 5位の合計で5,881名(正員)です。これは日本機械学会の23部門の中では第3位の規模になります。部門講演会である計算力学講演会では例年多くの研究発表があり、活発な活動が続いています。2019年は第32回計算力学講演会として、東洋大学の田村善昭先生を実行委員長し、多くの実行委員の方のお力により、9月16 ~ 18日に東洋大学川越キャンパスで開催されました。本講演会は特別講演2件、フォーラム2件、チュートリアル1件、 オーガナイズドセッション(OS)24件、一般セッション、 ポスター発表からなる充実した内容で、発表件数はフォーラ ム、特別講演、チュートリアル、OS、一般セッション、ポスター発表を合わせると283件、参加者は455名となりました。2020年の第33回計算力学講演会は実行委員長として鹿児島大学の池田徹先生をはじめとした実行委員会の方々のお力により、9月23 ~ 25日に鹿児島大学郡元キャンパス(鹿児島県鹿児島市)での開催に向けて準備をしておりましたが、新型コロナウイルスの影響により、どのようにするか現在検討中となっております。また、計算力学部門では、現在6つの研究会(逆問題解析手法研究会、マルチスケール計算固体力学研究会、電磁流体解析関連技術研究会、設計情報駆動研究会、解析・設計の代替モデリング研究会、設計と運用に活かすデータ同化研究会)が登録され、研究活動が行われています。
以上の研究活動の成果は、是非とも日本機械学会の英文誌 Mechanical Engineering Journalの計算力学(CM)のカテゴリーで投稿していただき、本ジャーナルの地位の向上へのご協力をお願いしたいと思います。 計算力学部門ではさらに、部門賞(業績賞、功績賞)の表彰、日本機械学会フェロー、学会賞(論文)候補者、文部科 学大臣表彰「若手科学者賞」の学会本部への推薦も行っています。これらの募集に関する情報は、日本機械学会のインフォメーションメールでもタイムリーに提供されますので、計 算力学部門からのインフォメーションメールの受信を有効にしておいていただければと思います。
COVID-19の影響により、現在、世界全体の状況が一変してしまい、数ヶ月前には全く想像していなかった状況となっております。少なくとも私自身は生まれてから経験したことのない生活環境の激変が生じております。仕事の仕方も大きく変化し、現時点(2020年4月)では、在宅勤務となり、講義はオンラインで実施、実験装置を利用する研究は実施できない状況にあります。このような状況下においても、計算力学に関連する研究は適切な問題設定を行えば遂行可能であり、多くの研究者・技術者にとっても、特に本年度は、計算により遂行できることの様々な可能性を検討する重要な年になるかと察します。こういう時だからこそ、計算力学部門として何ができるか、何が残せるかを多くの方と議論できればと思っております。
皆様にとりまして、計算力学部門での活動が様々な重要な情報交換の場となることに加え、新たな技術的課題、研究テーマ等の提案、学問領域等の創出につなげていけるよう努力したいと思いますので、ご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
COVID-19の影響で在宅勤務が続く中で。