部門紹介
93期 部門長挨拶
第93期部門長 |
このたび,小石前部門長(横浜ゴム㈱)の後を引き継ぎ,第93期計算力学部門長を務めさせていただきます.岡田裕副部門長(東京理科大学),松田哲也幹事(筑波大学),大山聖副幹事(JAXA)をはじめ,部門にかかわる皆様のご協力のもと計算力学部門の運営,発展に勤めたく存じます.よろしくお願いいたします.
機械学会においてはこの数年,学会活動の効率化,財政の立て直しが議論され,今期小豆畑会長のもとで4つの柱(1)部門活動の更なる活性化,(2)学会の魅力向上,(3)会員への情報サービス向上,(4)グローバル化の推進 があげられています.計算力学部門におきましても,歴代部門長,各委員会の皆様のご尽力,登録会員の皆様のご協力によって部門活動の活性化,効率化が着々とはかられてきました.昨年度は,ニュースレターのWEB化,部門講演会実行委員会の格別のご尽力などによりまして,部門事業の活性度,収支健全性が大いに改善されて,学会全体への貢献も着実に果たす内容となりましたこと,これまでの関係各位のご尽力に感謝いたします.今後もこの実績を引き継ぎまして健全な部門運営を続けていくとともに,新たな発展につながる次もステップを目指していければ幸いです.
部門活動の活性化について,特に計算力学部門では昨年度まとめられた活動ポリシーにて「大学・企業の連携」,「国際的活動の推進」を重点にとりあげています.これらは本部門が分野横断的な領域であること,工学設計に直接的にかかわる技術であること,また,グローバル化が急速に進む情報技術との関係が強いことにも関わり,機械学会において本部門が率先して進めていく課題と考えます.既に具体的な部門活動として,計算力学技術者認定事業への積極的な協力,日韓機械学会 計算力学・CAE合同シンポジウムの立ち上げ,新学術雑誌Mechanical Engineering Journalにおけるカテゴリー ”Computational Mechanics”の運営などが関係各位のご尽力によって進められており,また,部門講演会への企業参加者比率が15%を超えるなど,いくつかの着実な実績が上がりつつあります.これらを本来の学会目的である会員の学術・技術活動の実質的な向上に資するような事業活動に発展させていければと存じます.
ここ数年でのスマートホンの急速な普及にみられるように,情報化の波は技術の領域を超えて,社会自体の変化に及んできました.自動車や家電製品などの工業製品が着実に日常生活に取り込まれてきたように,コンピュータ技術もまた大衆化のステージに入ったことを実感します.コンピュータ技術の進歩とともに機械工学のなかでは比較的「若い」領域として発展してきた計算力学ですが,これから従来の機械製品と同様に,広範囲なユーザにいかに高度な技術成果を提供するか,という困難な課題に,おそらく他にないほどの速度で取り組むことになるでしょう.産業革命以来これまで蓄積されてきた機械技術の知恵とノウハウを,どのようにこれからの情報化社会に展開していくのか,計算力学の実力が試される時と心しています.
機械工学や計算力学の大きな枠の中で学会が担えるものは限られてはいますが,個々の技術者・研究者,企業・大学をつなぐ役割が期待されていると思います.機械学会および計算力学部門が会員メンバーにとって有意義な活動の場であり,また,有用な情報交換の場でもあるように,会員皆様からご支援とともに,様々なご提案を賜りますようお願い申し上げます。