13. 機械力学・計測制御

13・1 概論

13・1・1 研究活動

機械力学・計測制御部門(以下,本部門)は,機械工学における「4力学」の1つである“機械力学”(機械のダイナミクス),および,ダイナミクスと関連の深い“計測および制御”を主たる活動基盤としている.本部門では,各分野の学術的な基盤研究から実践的な応用研究,他部門との連携による新領域まで幅広く研究が行われ,その研究成果が積極的に公開されている.ここでは,2017年1月~12月に発行された本会論文集(和文・英文)への掲載論文を中心として本部門の研究活動について概括するとともに,同期間に催行された講演会・講習会などの状況について概説し,本部門の研究活動の概要について紹介する.

上記期間中に日本機械学会論文集(日本語)に掲載された学術論文のうち,「機械力学,計測,自動制御,ロボティクス,メカトロニクス」のカテゴリーとして掲載された論文は109編である.また同論文集Vol.83,No.855では「機械力学・計測制御分野特集号2017」が組まれ,上記カテゴリーに13編の論文が掲載された.したがってこのカテゴリーでは122編の論文が掲載されている.これは,本論文集に掲載された論文総数の29%(122編/総数425編)にあたる.前年(2016年)の数字(31%)と概ね同程度の割合であり高い貢献度を維持していると考えられる.2014年に新学術誌となってから4年が経過した.特集号も含めた本カテゴリーの論文数の推移を見ると,108編(2014年),144編(2015年),124編(2016年),122編(2017年)である.旧和文論文集(C編)とはカテゴリーが異なり,厳密な比較は難しいが,2013年度の論文数が250編程度であったことを考えると,投稿論文数の減少は否めない.

一方,本部門が担当していた英文誌Journal of System Design and Dynamics(JSDD)は,日本機械学会の方針変更に従い2013年12月を以て刊行を停止し,Mechanical Engineering JournalのDynamics & Control, Robotics & Mechatronicsカテゴリーに移行した.2017年には,特集号を含み43編の論文が掲載された.本論文の4年間の掲載論文数の推移は,11編(2014年),34編(2015年),22編(2016年),43編(2017年)であり,2017年は2016年の減少分を補ってあまりある増加となった.ちなみにJSDDの最終年(2013年)の論文数は45編(論文30編+特集号8編+レビュー論文7編)であり,2017年はこれと同程度の論文数である.前述したように和文論文減少はあるものの,その一方で英文誌への投稿が増加しており和文誌から英文誌へ投稿誌がシフトしつつある可能性も考えられる.論文数の推移についてはもう少し長い期間で傾向を把握するなど引き続き調査・確認が必要と考える.

13・1・2 講演会,シンポジウム,講習会など

毎年開催される本部門の部門講演会「Dynamics and Design Conference」(略称D&D)は本部門活動の中心である.2017年度の同講演会D&D2017は,第15回「運動と振動の制御」シンポジウム(MoViC2017)と併催し,総合テーマ「今,次代を支えるダイナミクスを考える」のもと,2017年8月29日~9月1日の4日間にわたり,愛知大学 豊橋キャンパスで開催された.発表件数は334件(D&D:261件,MoViC:73件),参加者累計646名であった.期間中には,第5回JSME-KSMEダイナミクス&コントロールに関するジョイントシンポジウム(JKシンポジウム)も開催し,こちらは日韓併せた発表件数が45件であった.例年通り振動工学データベースフォーラム(v_BASE)も併催された.

部門主催の講演会・シンポジウムとしては,この他に,2017年11月30日~12月1日に「第16回評価・診断に関するシンポジウム」が,崇城大学(熊本市)にて開催され,107名の参加者と34件の講演発表を集めた.このシンポジウムは参加者が上昇傾向で,その半数以上が企業関係者であり,定着度の高い充実したシンポジウムとなっている.

部門主催の講習会として,5月29日,30日に本会において「振動モード解析実用入門」(受講者54名),7月6日に東京大学生産技術研究所において「マルチボディシステム運動学の基礎」(受講者36名),7日に「マルチボディシステム動力学の基礎」(受講者33名),10月14日に大阪科学技術センタービル,21日に東京工業大学において「振動分野の有限要素解析講習会(計算力学技術者2級認定試験対策講習会)」(関東地区:受講者33名,関西地区:受講者10名),11月13日に本会において「マルチボディダイナミクスの最前線」(受講者37名),12月21日に本会において「納得のロータ振動解析:講義+HIL実験」(受講者18名),翌年2018年1月22日~23日には本会において「回転機械の振動」(受講者30名)が行われた.これらの講習会は継続的に毎年開催されているが,いずれも一定の受講者数を集めており,本部門主催の講習会として重要な役割を果たしている.

本稿をまとめるにあたり機械学会の橋口公美氏にはデータ収集・確認を中心に多大なご協力をいただいた.ここに記し謝意を表明する.ありがとうございます.

〔雉本 信哉 九州大学

13・2 スマート構造

スマート構造とは,センサやアクチュエータなどを構造物に一体化することで,構造物に強度を持たせるだけでなく振動制御やモニタリングなどの機能を持たせる技術であり,センサやアクチュエータとしては圧電素子,磁歪素子,形状記憶合金がよく用いられている.

2017年8月に愛知大学で開催されたDynamics and Design Conference 2017では,表1に示すようにスマート構造に関連する発表が14件あり,振動制御,エネルギーハーベスティング,診断・モニタリングが引き続き主要な研究分野となっていることが分かる.使用されるセンサ・アクチュエータとしては,従来から広く用いられている圧電素子を用いた研究が最も多いが,磁歪素子を用いた研究も2件[1, 9]ある.

表1 Dynamics and Design Conference 2017でのスマート構造関係の発表件数
表1 Dynamics and Design Conference 2017でのスマート構造関係の発表件数

2017年の日本機械学会論文集Vol.83に掲載された論文の中でスマート構造と関連のあるものとしては,皿ばね型の形状記憶合金アクチュエータに関する研究[15],負荷外乱を考慮した形状記憶合金アクチュエータのモデル化と制御に関する研究[16],電磁誘導方式でのエネルギーハーベスティングに使用するコイルを樹脂製の極薄基板の積層により作成して小型化した研究[17],誘電体膜と電極により構成され電気的に流れを誘起できるプラズマアクチュエータを用いた音響・流体関連の制御に関する研究[18, 19],軸箱支持装置に磁性エラストマを用いた鉄道車両用操舵台車に関する研究[20]がある.

以上のようにスマート構造に関する研究は活発かつ着実に行われているが,以前から課題となっているように基礎的な研究が多く実用化に近い研究が少ないという傾向が続いている.今後は,機械力学・計測制御部門内の研究会である「A-TS 10-40:スマート構造システムの将来技術と実用化に関する研究会」やDynamics and Design Conference等の機会を積極的に活用して企業との情報交換を行い,より実用的な研究へと発展させていく必要がある.

〔中原 健志 九州産業大学

13・3 評価・診断・メンテナンス

老朽化したインフラ構造物や産業設備を多く抱える先進国は勿論のこと,将来同じ問題に直面することになる新興国においても,構造物・設備の適切な管理保全は社会的課題として認識されており,そのための評価・診断・メンテナンス技術の研究開発が活発に行われている.さらに近年では,IoTデバイスによる生産設備のリアルタイム監視と制御に基づく生産の抜本的効率化がこれからの国力を左右する最重要課題の一つであるとの認識が共有されている.これらは材料科学から情報科学,経営工学までを包含する学際領域であるが,機械力学分野においては主にダイナミクスに基づく異常・損傷の検出や状態監視,評価・予測技術が研究されている.

2017年度における機械力学分野での動向として,国内では2017年8月のD&D2017/MoViC2017においてOS「システムのモニタリングと診断」を中心に16件の研究発表があった.また,2017年12月には第16回評価・診断に関するシンポジウムが開催され,センシング,IoT,超音波,トライボロジー,評価・診断,状態監視,ロボットなどをキーワードとする34件の研究発表があった.同シンポジウムでは例年1/3~1/4が企業からの発表であり,この分野における産業界の関心の継続的な高さを反映している.また,2016年頃からの傾向として,IoTデバイスや機械学習に関連する発表が増加しており,現場の知見とデータ分析・ITを繋ぐ取り組みが進んでいることが伺えた.

研究会活動では,A-TS 10-39「診断・メンテナンス技術に関する研究会」を中心に,他学会(日本設備管理学会「最新設備診断技術の実用性に関する研究会」,日本トライボロジー学会「メンテナンス・トライボロジー研究会」)との連携を図った活動(合同研究会や上記シンポジウムの共催)が行われた.2017年の合同研究会は9月に行われ,診断・保守に関わる要素技術に加えてIoTや経営まで含めた幅広い分野をカバーする9件の講演を行い,多数の参加者を得た.

国外では,機械システムの診断と設備管理分野でCOMADEM(Condition Monitoring and Diagnostic Engineering Management)[1]が英国で,WCEAM(World Congress on Engineering Asset Management)[2]がオーストラリアで開催された.また,スマート構造関連の国際会議であるSPIE SS/NDE(Smart Structures and Materials & Nondestructive Evaluation and Health Monitoring)[3]では構造ヘルスモニタリングおよび非破壊評価に関する研究発表が多く行われた.ASMEのSMASIS(Conference on Smart Materials, Adaptive Structures and Intelligent Systems)[4]では,九つのシンポジウムのうちの一つが構造ヘルスモニタリングに割り当てられており,23件の発表があった.このほか構造ヘルスモニタリングに特化した国際会議としては,Stanford大学でのIWSHM(International Workshop on Structural Health Monitoring)[5]が隔年で開催されている.これらの国際会議は機械・航空宇宙・建築・土木など多様な分野における産学官の研究者が一堂に会する領域横断的でアクティブな場となっている.

冒頭にも述べたように評価・診断・メンテナンス分野は学際領域であり,関連分野との緊密な情報共有や柔軟な連携が重要である.機械工学分野に留まらず電子情報通信分野やAI,経営などを包摂した横断型の連携の場を維持発展することが大切であり,今後の継続的な取り組みが期待される.

〔増田 新 京都工芸繊維大学

13・4 非線形振動

13・4・1 国内会議

2017年8月29日から9月1日に愛知大学豊橋キャンパスで開催されたDynamic and Design Conference 2017(D&D 2017)において,例年のように領域1「解析・設計の高度化と新展開」の中で「D-OS1-1 機械・構造物における非線形振動とその応用」と題するOSが設けられた.領域1のセッションでは52件の講演が行われ,このうち18件が非線形振動に関するものであった.非線形振動現象の解析に関する研究,効率的な解析法に関する研究,不規則振動に関する研究,非線形性を利用した制振に関する研究,同期現象・自励振動に関する研究などさまざまな内容の報告が行われた.制御の分野でも,シューティング法を用いることにより,制御力がステップ状に切り替わるセミアクティブ制御下の振動系の高精度の数値解析[1]も行われた.

D&D2017以外の,日本機械学会主催の国内講演会においては,衝突振動[2],過渡的大変位に伴う非線形振動[3],少自由度原子系の非線形周期解[4],脳波モデル[5],環状に配置された非線形振動子列に発生する局在化現象[6]に関する研究発表が見られた.

13・4・2 国際会議

2017年6月にハンガリーのブダペストにて開催されたEuropean Mechanics Society主催の9th European Nonlinear Dynamics Conference(ENOC 2017)では,Experiments in Nonlinear Dynamics and Control,Fractional Derivative,Nonlinear Dynamics in Engineering Systemsを始めとする21のミニシンポジウムの他,Steven ShawによるInternal resonances in tiny structures: new results and practical applicationsを始めとする5つのキーノートレクチャー等が行われた.中でも,ミニシンポジウムMicro- and Nano-Electro-Mechanical Systemsで,非線形ノーマルモードの考え方が再び脚光を浴びていることが分かり,興味深かった.

2017年11月にアメリカのフロリダ州タンパでASME主催のInternational Mechanical Engineering Congress & Exposition(IMECE 2017)が開催され,非線形振動に関連する多数の研究発表があり,カオス現象や分岐現象に関する発表[7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15]も行われた.

2017年8月にアメリカのオハイオ州クリーブランドで開催されたASME主催のInternational Design Engineering Technical Conferences & Computers and Information in Engineering Conference(IDETC/CIE 2017)では,29th Conference on Mechanical Vibration and Noise(VIB)および30th International Conference on Multibody Systems, Nonlinear Dynamics, and Control(MSNDC)が開催された.両Conferenceにおいて非線形振動に関する研究が多数報告された.ここではカオスという言葉がタイトルにつく研究報告は見当たらなかったが,MEMS/NEMSに関する研究については11th International Conference on Micro- and Nanosystems(MNS)との合同セッションが設けられるなど精力的に行われているようであった.

13・4・3 国内ジャーナル

日本機械学会論文集において6件の論文が掲載された.数は少ないが,エレベータロープの振動に関する研究[16, 17],超音波の非線形ダイナミクスに関する研究[18],圧力弁の不安定振動に関する研究[19],フラフープを用いた制振装置に関する研究[20],柔軟回転軸の摩擦振動に関する研究[21]とバラエティに富むものであった.

日本機械学会Mechanical Engineering Reviewsには,非線形力学系に対する様々な解析法を古典的なものから新しいものまで分類したレビュー論文が掲載された[22].

日本機械学会Mechanical Engineering Journalには,スピーカーの振動板をモデル化した非線形バネで支持されたディスクの振動のFEM解析に関する研究[23],大変形を伴う柔軟体の運動方程式への多重尺度法の適用に関する研究[24]が掲載された.

13・4・4 海外ジャーナル

ASMEのJournal of Vibration and AcousticsおよびJournal of Computational and Nonlinear Dynamicsで2017年に掲載された全論文219件中,非線形振動関係の論文は65件であった.カオス・分岐・安定性に関するものが12件と最も多かった.これに次いで制振・減衰に関するものが7件,MEMS/NEMSに関するものが6件であった.MEMS/NEMSに関する研究はJournal of Vibration and Acoustics Vol.139(4)で特集が組まれていた.

International Journal of Mechanical Scienceには7件の論文が発表された.梁や板の非線形応答や安定性に関する論文[25]が4件と最も多く,多自由度非線形構造物に対する同定手法の提案[26],一定間隔で複数の振り子を直線状に並べた構造に対する非線形挙動の解析[27],指のタッピングによるエネルギーハーベスティングに関する研究[28]が各1件掲載された.

International Journal of Engineering Scienceには8件の論文が見られるが,8件中5件が微小構造の非線形振動に関する解析的な検討[29]となっている.残りの3件はいずれも非線形振動を利用したエネルギーハーベスティング[30]に関する論文であった.

Chaos, Solitons & Fractalsについては,有限一定振幅の定常進行波に生じるBenjamin-Feir型不安定性[31],低次元分数次強制LCR回路におけるカオス[32],Gauss有色雑音によって駆動されるエネルギーハーベスティングシステムの応答解析[33],Duffing-Van der Pol振動衝撃系の応答解析[34],翼の非線形振動解析[35]といった5件の論文が発表された.ここまでで,大きな動向としてはエネルギーハーベスティングに関する論文が増加傾向にあると言えそうである.

International Journal of Non-Linear Mechanics,Journal of Computational and Nonlinear Dynamics,Nonlinear Dynamics,Journal of Sound and Vibrationにおいても,やはりエネルギーハーベスティングが盛んに研究されているが,磁石や圧電素子からエネルギーを得るもの[36, 37],係数励振を利用したもの[38],渦励振による振動からエネルギーを得るもの[39],高周波数化によるエネルギー増を行うもの[40, 41]など様々な研究があり,ここに挙げたものを含めて多くが非線形系となっている.つぎに多いのが非線形動吸振器による制振の研究である.ロバスト性に優れること[42, 43],軽量で広い振動数範囲で効果的なこと[44]が示されるとともに,インパクトダンパを並列で用いる制振[45],スロッシング現象を用いた制振[46]の研究も行われている.びびり振動の制振[47]や翼のフラッターの制振[48]といった自励振動の制振に非線形動吸振器を用いる研究も行われた.さらに,流体を内蔵する梁の振動の研究が行われ,マイクロ・ナノビームの非線形振動[49, 50],緩い非線形の拘束がある場合の振動[51],流体が脈動する場合の振動[52, 53]などの研究がある.連続体では,積層板の非線形振動の研究も行われ,真鍮と圧電素子からなるバイモルフ型円板の漸軟漸硬特性の同定[54],積層梁の高調波共振[55]の研究が行われた.自励振動に関しては,回転ディスクとスライダの連成振動におけるスティック―スリップ[56],負の勾配をもつ摩擦振動系の分岐[57],不連続な非線形性をもつ翼のフラッター[58],非線形減衰を考慮したびびり振動[59]など,従来のものに新たな要素を取り入れた研究がなされている.非線形現象の1つである内部共振現象に関する論文が増加しているのも特徴の1つであり,MEMS [60],宇宙構造物[61],柔軟梁を制振装置として用いる研究[62]などで扱われている.

13・4・5 その他の研究動向

Fractional Calculus(以下,FCと略)は,非整数階微積分もしくは分数階微積分と訳され,必ずしも非線形ではないが,論文誌Nonlinear DynamicsやASMEのJournal of Computational and Nonlinear Dynamics等に多くの論文が投稿されるため,ここで研究動向について述べておく.振動制御へのFCの応用に関しては,Cristina I. Muresanらのグループが非常に精力的に取り組んでいる.例えば,柔軟梁にピエゾ素子のアクチュエータやひずみゲージのセンサを取り付けたスマートビームに対してFractional Order-PD制御系を実装している[63].また,LQR制御との比較もしている[64].

また,バックラッシを伴う系のリミットサイクル予測[65]や,MEMSレゾネータのカオス振動の制御[66, 67]の他,磁気軸受によるロータ・サスペンションのFractional Order-PID制御[68]など,実用的な分野へもFCは応用され始めている.Fractional Order-PID制御には,通常のPゲイン,Iゲイン,Dゲインに加えて,非整数の微分階数μと非整数の積分階数λが設計パラメータとして存在するが,Particle Swarm Optimization(粒子群最適化:PSO)法がパラメータの最適化によく用いられる[69].

最後に,研究動向ではないが,非線形振動の世界的権威であったAli H. Nayfeh氏が2017年3月に亡くなった.その追悼記事がJournal of Vibration and Acoustics, Vol.139(4)およびJournal of Computational and Nonlinear Dynamics, Vol.12(4)に掲載された[70, 71].

〔黒田 雅治 兵庫県立大学,奥泉 信克 宇宙航空研究開発機構,神谷 恵輔 愛知工業大学,増本 憲泰 日本工業大学,吉武 裕 長崎大学

13・5 マルチボディダイナミクス

マルチボディダイナミクス(多体系動力学)は,多数の物体や部品からなる構造物を扱い,機械の運動や制御に関する学問分野である.当該分野の近年の発展は目覚しく,優れた汎用コードも開発され,有限要素法と並ぶ強力なCAEツールになりつつある.コンピュータを援用したマルチボディダイナミクスを用いることにより,従来までは不可能であった複雑な物体の動力学の解析が可能になった.さらに近年では,熱や磁気などその他の物理現象と強く干渉する動力学挙動を解析する手法についての研究も盛んに行われており,商用ソフトとしても展開されている.そのため,機械工学,航空・宇宙工学,ロボティクス,メカトロニクス,バイオメカニクスなどの多岐にわたる分野で応用されている.愛知大学で開催されたD&D2017においては,OS「マルチボディダイナミクス」で23件の発表が行われた.その内訳は,鉄道への応用と定式化・解析手法に関する研究がそれぞれ7件と最も多く,ビークルへの応用が4件,マルチボディシステムの解析と制御が4件,様々な機械システムにへの適用が4件と多様な分野で活発な議論が行われた.海外では,2017年6月にECCOMAS2017がチェコのプラハで開催され,172件の講演発表があった.これらの会議では,ロボット,定式化と数値解析手法,マルチフィジクスと練成問題,効率的な手法と実時間応用,鉄道車両の動力学,並列化手法,ソフトウェア開発とコンピュータ技術,柔軟マルチボディダイナミクス,接触・衝突に関する動力学,バイオメカニクス,制御と最適化,航空・海洋技術への応用等のセッションが設けられ,活発な議論が行われた.また,本部門所属の研究分科会として,マルチボディダイナミクス研究会(A-TS10-38)が設置され,毎年研究会が開催されている.2017年には2回の研究会があり,大学や企業のマルチボディダイナミクスに関する研究紹介が行われ,有意義な情報交換がなされた.また,研究会における始めての試みとして,「MBDの最前線」というタイトルでマルチボディダイナミクスの初学者を対象とした講習会を開催し,自動車ダイナミクス分野,ロボットダイナミクス分野,建設機械ダイナミクス分野,バイオメカニクス分野,柔軟体ダイナミクス分野の5つの分野に関して基本的な考え方や適用事例が解説された.以降では,2017年のマルチボディダイナミクスの研究動向のうち,注目されるいくつかのテーマを取り上げる.

以前より研究例の多い鉄道車両に関する分野では車輪/レール間の摩耗進展メカニズムの解明のために数値解析による検討と1/10スケールモデルを用いた実験検討により摩耗に起因する因子について検討した研究[1]や航空宇宙分野では折り畳み展開可能な展開翼におけるフラッタ速度の算出手法に関する提案[2]が報告された.近年研究例が増加しているバイオメカニクス分野では,車と歩行者の衝突事故に関して,歩行者を有限要素モデルとマルチボディモデルを組み合わせたモデルとして構築し,自動車のボンネットを有限要素モデルやマルチボディモデルなど様々なモデル化で構築し,それらの数値解析結果を比較評価した研究がなされている[3].また,定式化手法も含めて数々の試みが行われている接触・衝突分野では三次元回転関節におけるクリアランスやミスアライメントを考慮した定式化が示され,それを元に動的挙動の解析が行われた[4].以上のように,柔軟構造の解析や接触問題などの従来から行われてきた分野や鉄道など適用対象としてこれまでも数多く採用されてきた分野の基礎研究や応用研究に加えて,FEMとMBDの連成解析などを活用した人体に関わる研究など,様々な動力学問題に実用的に活用することが可能となってきており,当該分野の今後のさらなる発展が期待される.

〔菅原 佳城 青山学院大学

13・6 制御理論・応用

本部門の制御理論と応用に強く関連する国内の学術会議は,部門講演会(D&D),MOVICシンポジウム,自動制御連合講演会であるが,2017年度はD&DとMOVICが合同開催であった.国際会議のMOVICは隔年開催のため,2017年度は開催されていない.また,ASCC(Asian Control Conference)2017がオーストラリアで開催され,多くの日本人が参加していた.以下では,これらの会議について概況を述べる.

MOVICシンポジウムのオーガナイズドセッションには,「宇宙機・宇宙ロボットのダイナミクスと制御」,「アクチュエータ」,「基礎」,「建設構造物のアクティブ制御」,「移動体のダイナミクスと制御」,「アームのダイナミクスと制御」,「システム」,「制御」,「自動車の操舵系制御」,「自動車の駆動系制御」,「自動運転とエンジンベンチの上流設計」,「セルフベアリングモータ」,「磁気浮上・磁気軸受」,「非線形制御理論とその応用」,「海洋におけるシステムと制御」,「鉄道車両の運動と制御」,「車両型移動体の運動と制御」,「飛行体の運動制御」などがあった.

第60回自動制御連合講演会(2017)の幹事学会は計測自動制御学会で,約40のオーガナイズドセッションがあり,その中の一つは本部門の研究分科会「運動と振動の制御に関するサイバネティックス」が企画した「運動と振動の制御」があった.そこでは,除振装置の開発,磁気浮上装置,自動運転制御,脚型ロボットの制御,最適スライディングサーボ理論など多岐に渡る研究が発表された.

ASCC2017では,一般の発表の他に以下のような複数のワークショップがあり,制御理論と応用の分野における世界的な傾向の一端が見える.

Advances in distributed control and formation control systems

Challenges and opportunities in smart grid

Stabilization of infinite dimensional systems

Model free adaptive control: Process and applications

また,基調講演も大変充実しており,以下の講演があった.

Plenary session

“Rehabilitation robots that cooperate and motivates” by Robert Riener.

“PDE control: Design and application” by Miroslav Krstic.

“A symmetric perspective on simultaneous localization and mapping” by Robert Mahony.

Semi-plenary session

“Navigation and control of drones in GPS-denied environments” by Ben M. Chen.

“Development of atomic force Microscopy: A key to explore the nanoscale world” by Li-Chen Fu.

“Adaptive operation of small flying robots” by H. Jin Kim.

“Autonomous distributed control of next-generation smart grids” by Qing-Chang Zhong.

上記のように,従来から研究が盛んな振動制御装置,自動車の自動運転制御,ドローン,SLAM,フォーメーション制御,スマートグリッド(電力系)などの応用分野に加えて,熱流体システムにも応用可能な分布定数系(PDE control)の制御理論の発展も見受けられる.

ASCC2019は水野毅(埼玉大学)実行委員長のもと,日本(北九州)で開催される予定である.

〔横山 誠 新潟大学

13・7 音響・騒音

音響・騒音分野における2017年度の研究動向について紹介する.本会では,D&D2017講演会で音響・騒音に関連する研究発表として,領域3「振動・騒音」の分野を設け,「振動・騒音」,「サイレント工学」,「モード解析とその応用関連技術」および「自動車の制振・防音」の四つの音響・騒音に関連したオーガナイズドセッションが開催された.これらの講演におけるセッションでは,キーワードとして,制振・防音,遮音・吸音,音場解析技術,同定・制御技術,診断技術,初期設計・詳細設計,伝達経路解析・部分構造合成,波動モード・音響モード,予測・分析とした45件の研究発表があった.以下では,これらの一部を紹介する.詳細はD&D2017講演論文集を参照されたい.制振・防音では,自動車の防音材の性能評価[1]および車体への制振デバイス[2]などが行われている.遮音・吸音では,繊維系吸音材の微視構造モデル化と吸音率への影響分析[3],多孔質吸音材の空孔径最適化[4],などがある.また,音響解析の基礎となる音場解析技術では,吸音材を有する直方体音場の解析[5],二重近距離音響ホログラフィ法の開発[6]などの手法が検討されている.機械系の加振力の同定としては,時間領域での加振力推定[7],付加質量により逆問題を正則化する手法[8]などがあり,人体の肺疾患に関する診断[9]なども行われている.モード解析関係でも,伝達経路解析[10],部分構造変更[11],数値モデルと実構造のFRFの乖離要因の特定[12]など従来からの課題に対しても新しい提案がなされている.波動関連でもレーザーアブレーションによるLamb波の生成[13]など新しい試みが提案されている.このほか領域4においても流体関連振動の振動・音響問題に関する研究[14, 15]など多数発表されている.

本会学術誌においても2017年には和文誌では,集中系モデルを用いた2次元音響空間の能動制御[16],外部から拡散音場加振される隙間を有するカバー内音場のアクティブ制御[17],音響メタマテリアルによる反射音制御[18]などの,音響・騒音をキーワードとした11件の論文が発表されている.

また,本部門の研究会活動として「振動・音響研究会」が2017年には広島県および岡山県で3回開催された.オーディオ機器の振動抑制と音質改善,適応音質制御とその感性評価,サウンドデザインとその評価,広帯域垂直入射吸音率測定に関する研究,脳磁界計測を用いた音質評価メカニズム解明とその応用などの音響関連技術をテーマとした研究活動が報告された.

以上のように,音響・騒音の分野では,量的に騒音を抑制する要求は引き続き求められるが,多様化するニーズにより音質や感性評価などの質的な評価および改善へと研究が展開してゆくものと期待される.

〔日野 順市 徳島大学

13・2の文献

[ 1 ]
小松崎俊彦, 上野敏幸, 堀田 健斗, 2自由度系で構成した磁歪式振動発電デバイスの発電効率化に関する検討, Dynamics and Design Conference 2017 論文集(2017), paper No. 322.
[ 2 ]
樋浦琢也, 森下信, 群知能を用いた振動監視システムが認識する振動モードについて, Dynamics and Design Conference 2017 論文集(2017), paper No. 505.
[ 3 ]
平山恵太, 山田 啓介, 圧電吸音板を用いたエネルギハーベスティングの研究, Dynamics and Design Conference 2017 論文集(2017), paper No. 506.
[ 4 ]
坂本一博, 浅沼春彦, 小松﨑俊彦, 岩田佳雄, 機械スイッチ非線形回路を用いた振動発電素子の小型化の検討, Dynamics and Design Conference 2017 論文集(2017), paper No. 507.
[ 5 ]
加藤慎吾, 増田新, 牛木壮, 板ばねとストッパを用いた広帯域非線形振動発電装置, Dynamics and Design Conference 2017 論文集(2017), paper No. 508.
[ 6 ]
中原健志, 藤本孝, シューティング法による圧電アクチュエータを用いたセミアクティブ振動制御系の周期解析, Dynamics and Design Conference 2017 論文集(2017), paper No. 510.
[ 7 ]
松本紘輔, 増田新, 近距離場音波浮揚における振動板形状の音響粘性応力への影響, Dynamics and Design Conference 2017 論文集(2017), paper No. 511.
[ 8 ]
一藁秀行, 奥村建斗, 池亀透, 高木賢太郎, 寄生抵抗を持つ圧電シャント制振系における負性C-Rシャント回路のロバスト性について, Dynamics and Design Conference 2017 論文集(2017), paper No. 512.
[ 9 ]
渡邊裕一郎, 菅原佳城, 超磁歪材料を用いた受動制振システムにおける定点理論を用いた最適化の実用可能性に関する一考察, Dynamics and Design Conference 2017 論文集(2017), paper No. 513.
[10]
亀山正樹, 谷口裕信, 浪田雄介, 満足化トレードオフ法を用いたモードセンサ設計とその多モード振動制御への応用, Dynamics and Design Conference 2017 論文集(2017), paper No. 514.
[11]
諸星陽裕, 梅﨑俊吾, 藤本滋, 一木正聡, エアコンプレッサの振動を利用した並列設置型積層圧電素子を用いた振動発電による加速度センサの駆動, Dynamics and Design Conference 2017 論文集(2017), paper No. 519.
[12]
河村庄造, 宮城祥, 伊勢智彦, 松原真己, ひずみ測定による層状構造物の健全性評価に関する研究, Dynamics and Design Conference 2017 論文集(2017), paper No. 520.
[13]
山下昂輝, 増田新, 田中昂, 弾性波の周波数down-conversionに基づく薄板構造物の接触タイプ損傷検知, Dynamics and Design Conference 2017 論文集(2017), paper No. 521.
[14]
野中昭太, 増田新, 田中昂, 平歯車に貼付した圧電素子の電気機械結合アドミタンスの変動, Dynamics and Design Conference 2017 論文集(2017), paper No. 522.
[15]
畑村望宇, 和田大志, 川村恭己, 吉平悠紀, 岩橋佑, 畑村耕一, Ti-Ni形状記憶合金を用いた皿ばね型アクチュエータの開発に関する研究, 日本機械学会論文集, Vol. 83, No.845(2017), DOI: 10.1299/​transjsme.16-00017.
[16]
工藤光輝, 原田宏幸, 負荷外乱に対応したSMAアクチュエータのモデル化および電気抵抗値フィードバック制御, 日本機械学会論文集, Vol. 83, No.855(2017), DOI: 10.1299/​transjsme.17-00139.
[17]
鈴木洋一朗, 桑野博喜, 積層基板型小型コイルを用いたエネルギーハーベスタの研究, 日本機械学会論文集, Vol. 83, No.846(2017), DOI: 10.1299/​transjsme.16-00328.
[18]
楠本誠, 横山博史, David ANGLAND, 飯田明由, プラズマアクチュエータによる平板列から発生する空力騒音の制御, 日本機械学会論文集, Vol. 83, No.847(2017), DOI: 10.1299/​transjsme.16-00364.
[19]
野木優佑, 佐野正利, 豊田国昭, 本阿弥眞治, プラズマアクチュエータを用いた二次元オフセット噴流の流動と熱伝達, 日本機械学会論文集, Vol. 83, No.849(2017), DOI: 10.1299/​transjsme.17-00031.
[20]
梅原康宏, 鴨下庄吾, 小黒翼, 三俣哲, 磁性エラストマを用いた軸箱支持装置の基礎検討, 日本機械学会論文集, Vol. 83, No.847(2017), DOI: 10.1299/​transjsme.16-00523.

13・3の文献

[ 1 ]
Proceedings of the 30th International Congress on Condition Monitoring and Diagnostic Engineering(COMADEM 2017), Preston, UK,(2017-7).
[ 2 ]
Proceedings of the 12th World Congress on Engineering Asset Management(WCEAM 2017), Brisbane, Australia,(2017-8).
[ 3 ]
Proceedings of SPIE Vol. 10593–10602,(2018-3).
[ 4 ]
Proceedings of ASME 2017 Conference on Smart Materials, Adaptive Structures and Intelligent Systems(SMASIS 2017), Snowbird, UT, USA,(2017-9).
[ 5 ]
Proceedings of the 11th International Workshop on Structural Health Monitoring(IWSHM 2017), Stanford, CA, USA,(2017-9).

13・4の文献

[ 1 ]
中原健志, 藤本孝, シューティング法による圧電アクチュエータを用いたセミアクティブ振動制御系の周期解析, D&D2017講演論文集(2017), 講演番号510.
[ 2 ]
GU Wenchao, 永野光, 昆陽雅司, 田所諭, リアリスティック触覚レンダリングのための攻撃速度に依存した衝突振動の調査, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会講演論文集(2017), CD-ROM.
[ 3 ]
高野優祐, 大久保信行, 戸井武司, 過渡的大変位における非線形振動感度解析, 日本機械学会関東支部総会・講演会講演論文集(2017), CD-ROM.
[ 4 ]
岡本和大, 土井祐介, 中谷彰宏, 非線形振動とその安定性理論に基づく少自由度原子系の構造転移ダイナミクスの解析, 日本機械学会関西支部定時総会講演会講演論文集(2017), p.304.
[ 5 ]
上原賢祐, 吉田拓洋, 齊藤俊, 非線形振動子を用いた脳波モデルの精度検証, 日本機械学会関西支部定時総会講演会講演論文集(2017), p.214.
[ 6 ]
福谷孝司, 池田隆, 原田祐志, 環状に配置された振動子列の非線形局在化現象, 日本機械学会中国四国支部総会・講演会講演論文集(2017), CD-ROM.
[ 7 ]
Wenchao, M., Jiao, Y., Chen, Z. and Zhang, E., Stability Influence of Different Eccentric Phases in a Rotor-Bearing System, IMECE2017-70528.
[ 8 ]
Guo, Y. and Luo, A., Period-1 Motions to Chaos in a Parametrically Excited Pendulum, IMECE2017-70775.
[ 9 ]
Luo, A. and Guo, S., Period-1 and Period-2 Motions in a Brusselator with a Harmonic Diffusion, IMECE2017-70782.
[10]
Xu, Y. and Luo, A., Periodic Motions in a 2-DOF Self-Excited Duffing Oscillator, IMECE2017-70783.
[11]
Zhang, E., Jiao, Y, Chen, Z., Mo, W. and Wang, S., Parametric Influences on the Nonlinear Dynamic, Responses of a Rotor-Bearing-Foundation-Labyrinth Seal System, IMECE2017-70920.
[12]
Yu, B. and Luo, A., Periodic Motion in a Nonlinear Vibration Isolator Under Harmonic Excitation, IMECE2017-71032.
[13]
Bremen, H. and Bonilla, M., Computation of Lyapunov Characteristic Exponents Using Parallel Computing, IMECE2017-71757.
[14]
Yan, S., Lin, B., Fei, J. and Liu, P., Nonlinear Dynamic Behavior of a Rotor Bearing System with Nonlinear Viscous Damping Suspension, IMECE2017-72659.
[15]
Ruhela, G. and DasGupta, A., Particle Hopping on a Wave: From Periodic to Chaotic Transport, IMECE2017-72765.
[16]
藤谷高寛, 木村弘之, 両端から全長の1/Nの位置に変位拘束部材を有する弦の自由振動(Nが偶数, 弦と変位拘束部材との間にギャップがある場合), 日本機械学会論文集, Vol.83, No.845(2017), DOI: 10.1299/​transjsme.16-00478.
[17]
藤谷高寛, 木村弘之, 両端から全長の1/Nの位置に変位拘束部材を有する弦の自由振動(Nが奇数, 弦と変位拘束部材との間にギャップがある場合), 日本機械学会論文集, Vol.83, No.846(2017), DOI: 10.1299/​transjsme.16-00504.
[18]
河原康太, 松田直樹, 北條正樹, 西川雅章, 円柱界面における非線形力学特性を考慮した高調波発生挙動の解析, 日本機械学会論文集, Vol.83, No.849(2017), DOI: 10.1299/​transjsme.16-00582.
[19]
山藤勝彦, 山本建, 澤田賢治, 電磁比例弁内のスプールに作用するクーロン摩擦力に起因した不安定振動の解析と安定化させるための設計法, 日本機械学会論文集, Vol.83, No.852(2017), DOI: 10.1299/​transjsme.16-00553.
[20]
吉武裕, 安部晃, 村上心, 梶原修平, 古川隼人, 坂本竜二郎, フラフープとアシストモータを用いた制振装置の引き込み領域と消費エネルギー, 日本機械学会論文集, Vol.83, No.854(2017), DOI: 10.1299/​transjsme.17-00164.
[21]
森博輝, 長嶺拓夫, 堀崎大, 佐藤勇一, 中間支持部をもつ柔軟回転軸の摩擦振動, 日本機械学会論文集, Vol.83, No.855(2017), DOI: 10.1299/​transjsme.17-00241.
[22]
Wang, X. and Atluri, S.N., Computational methods for nonlinear dynamical systems, Mechanical Engineering Reviews, Vol.4(2017), Issue 2, Page 17-00040, DOI: 10.1299/​mer.17-00040.
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[26]
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[27]
Bitar, D., Kacem, N. and Bouhaddi, N., Investigation of modal interactions and their effects on the nonlinear dynamics of a periodic coupled pendulums chain, International Journal of Mechanical Sciences, Vol.127(2017), pp.130–141, DOI: 10.1016/​j.ijmecsci.2016.11.030.
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Yang, Z., Tan, Y. and Zu, J., A multi-impact frequency up-converted magnetostrictive transducer for harvesting energy from finger tapping, International Journal of Mechanical Sciences, Vol.126(2017), pp.235–241, DOI: 10.1016/​j.ijmecsci.2017.03.032.
[29]
(たとえば)Farokhi, H., Tavallaeinejad, M., Ghayesh, M.H. and Gholipour, A., Nonlinear oscillations of viscoelastic microplates, International Journal of Engineering Sciences, Vol.118(2017), pp.56–69, DOI: 10.1016/​j.ijengsci.2017.05.006.
[30]
(たとえば)Rezaei, M., Khadem, S.E. and Firoozy, P., Broadband and tunable PZT energy harvesting utilizing local nonlinearity and tip mass effects, International Journal of Engineering Science, Vol.118(2017), pp.1–15, DOI: 10.1016/​j.ijengsci.2017.04.001.
[31]
Patti, F. Di, Fanelli, D., Miele, F. and Carletti, T., Benjamin-Feir instabilities on directed networks, Chaos, Solitons & Fractals, Vol.96(2017), pp.8–16, DOI: 10.1016/​j.chaos.2016.11.018.
[32]
Palanivel, J., Suresh, K., Sabarathinam, S. and Thamilmaran, K., Chaos in a low dimensional fractional order nonautonomous nonlinear oscillator, Chaos, Solitons & Fractals, Vol.95(2017), pp.33–41, DOI: 10.1016/​j.chaos.2016.12.007.
[33]
Liu, D., Xu, Y. and Li, J., Probabilistic response analysis of nonlinear vibration energy harvesting system driven by Gaussian colored noise, Chaos, Solitons & Fractals, Vol.104(2017), pp.806–812, DOI: 10.1016/​j.chaos.2017.09.027.
[34]
Liu, L., Xu, W., Yue, X. and Han, Q., Stochastic response of Duffing-Van der Pol vibro-impact system with viscoelastic term under wide-band excitation, Chaos, Solitons & Fractals, Vol.104(2017), pp.748–757, DOI: 10.1016/​j.chaos.2017.09.034.
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Zhang, L. and Chen, F., Bifurcations and stability analysis for nonlinear oscillations of an airfoil, Chaos, Solitons & Fractals, Vol.103(2017), pp.220–231, DOI: 10.1016/​j.chaos.2017.06.009.
[36]
Kecik, K., Mitura, A., Lenci, S., Warminski, J., Energy harvesting from a magnetic levitation system, International Journal of Non-Linear Mechanics, Vol.94(2017), pp.200–206, DOI: 10.1016/​j.ijnonlinmec.2017.03.021.
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Yuan, T., Yang, J., Chen, L.Q., Nonlinear characteristic of a circular composite plate energy harvester: experiments and simulations, Nonlinear Dynamics, Vol.90, Issue 4(2017), pp.2495–2506, DOI: 10.1007/​s11071-017-3815-4.
[38]
Marszal, M., Witkowski, B., Jankowski, K., Perlikowski, P., Kapitaniak, T., Energy harvesting from pendulum oscillations, International Journal of Non-Linear Mechanics, Vol.94(2017), pp.251–256, DOI: 10.1016/​j.ijnonlinmec.2017.03.022.
[39]
Zhang, L.B., Abdelkefi, A., Dai, H.L., Naseer, R., Wang, L., Design and experimental analysis of broadband energy harvesting from vortex-induced vibrations, Journal of Sound and Vibration, Vol.408(2017), pp.210–219, DOI: 10.1016/​j.jsv.2017.07.029.
[40]
Wang, C., Zhang, C. and Wang, W., Low-frequency wide band vibration energy harvesting by using frequency up-conversion and quin-stable nonlinearity, Journal of Sound and Vibration, Vol. 399(2017), pp.169–181, DOI: 10.1016/​j.jsv.2017.02.048.
[41]
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[42]
Farid, M., Levy, N., Gendelman, O.V., Vibration mitigation in partially liquid-filled vessel using passive energy absorbers, Journal of Sound and Vibration, Vol.406(2017), pp.51–73, DOI: 10.1016/​j.jsv.2017.06.013.
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Habib, G., Kerschen, G., Stepan, G., Chatter mitigation using the nonlinear tuned vibration absorber, International Journal of Non-Linear Mechanics, Vol.91(2017), pp.103–112, DOI: 10.1016/​j.ijnonlinmec.2017.02.014.
[44]
Haris, A., Motato, E., Mohammadpour, M., Theodossiades, S., Rahnejat, H., Mahony, M.O., Vakakis, A.F., Bergman, L.A., McFarland, D.M., On the effect of multiple parallel nonlinear absorbers in palliation of torsional response of automotive drivetrain, International Journal of Non-Linear Mechanics, Vol.96(2017), pp.22–35, DOI: 10.1016/​j.ijnonlinmec.2017.06.008.
[45]
Li, T., Gourc, E., Seguy, S., Berlioz, A., Dynamics of two vibro-impact nonlinear energy sinks in parallel under periodic and transient excitations, International Journal of Non-Linear Mechanics, Vol.90(2017), pp.100–110, DOI: 10.1016/​j.ijnonlinmec.2017.01.010.
[46]
Ikeda, T., Harata, Y., Ninomiya, S., Vibration control of two-degree-of-freedom structures utilizing sloshing in nearly square tanks, Journal of Computational and Nonlinear Dynamics, Vol.12, Issue5(2017), 051012, DOI: 10.1115/​1.4036481.
[47]
Shakeri, S., Samani, F.S., Application of linear and nonlinear vibration absorbers in micro-milling process in order to suppress regenerative chatter, Nonlinear Dynamics, Vol. 89, Issue 2(2017), pp. 851–862, DOI: 10.1007/​s11071-017-3488-z.
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Malher, A., Touzé, C., Doaré, O., Habib, G., Kerschen, G., Flutter control of a two-degrees-of-freedom airfoil using a nonlinear tuned vibration absorber, Journal of Computational and Nonlinear Dynamics, Vol.12, Issue5(2017), 051016, DOI: 10.1115/​1.4036420.
[49]
Belardinelli, P., Ghatkesar, M.K., Staufer, U., Alijani, F., Linear and non-linear vibrations of fluid-filled hollow microcantilevers interacting with small particles, International Journal of Non-Linear Mechanics, Vol.93(2017), pp.30–40, DOI: 10.1016/​j.ijnonlinmec.2017.04.016.
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Wang, L., Liu, Z.Y., Abdelkefi, A., Wang, Y.K., Dai, H.L., Nonlinear dynamics of cantilevered pipes conveying fluid: Towards a further understanding of the effect of loose constraints, International Journal of Non-Linear Mechanics, Vol.95(2017), pp.19–29, DOI: 10.1016/​j.ijnonlinmec.2017.05.012.
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Askarian, A.R., Haddadpour, H., Firouz-Abadi, R.D., Abtahi, H., Nonlinear dynamics of extensible viscoelastic cantilevered pipes conveying pulsatile flow with an end nozzle, International Journal of Non-Linear Mechanics, Vol.91(2017), pp.22–35, DOI: 10.1016/​j.ijnonlinmec.2017.02.003.
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Monfared, Z., Afsharnezhad, Z., Esfahani, J.A., Flutter, limit cycle oscillation, bifurcation and stability regions of an airfoil with discontinuous freeplay nonlinearity, Nonlinear Dynamics, Vol.90, Issue 3(2017), pp.1965–1986, DOI: 10.1007/​s11071-017-3773-x.
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Ahmadi, K., Analytical investigation of machining chatter by considering the nonlinearity of process damping, Journal of Sound and Vibration, Vol. 393(2017), pp.252–264, DOI: 10.1016/​j.jsv.2017.01.006.
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Gao, X., Jin, J., Hu, H., Internal resonances and their bifurcations of a rigid-flexible space antenna, International Journal of Non-Linear Mechanics, Vol.94(2017), pp.160–173, DOI: 10.1016/​j.ijnonlinmec.2017.03.020.
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[65]
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Barbosa, R.S., Tenreiro Machado, J.A., Limit cycle prediction of systems with fractional controllers and backlash, Journal of Vibration and Control, Vol. 23(4)(2017), pp. 587–603, DOI: 10.1177/​1077546315581572.
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[71]
Balakumar Balachandran, Mohammad Younis and I.Y.(Steve)Shen, In Memoriam: Ali Hasan Nayfeh, Transactions of ASME, Journal of Computational and Nonlinear Dynamics, Vol.12(4)(2017), DOI: 10.1115/​1.4036626.

13・5の文献

[ 1 ]
松本春花, 曄道佳明, 摩耗進展における車輪/レール形状の影響に関する実験的検討, 日本機械学会 D&D2017 USB論文集,(2017), No.703.
[ 2 ]
大塚啓介, 槙原幹十朗, 低次元化マルチボディ構造モデルを用いた展開翼の空力弾性解析, 日本機械学会 D&D2017 USB論文集,(2017), No.714.
[ 3 ]
J. Spicka, J. Vychytil, J. Manas, P. Pavlata, Modelling of Real Car-to-Pedestrian Accident: Comparison of Various Approaches in the Car Bonnet Modelling, Proceedings of ECCOMAS2017 thematic conference on multibody dynamics(ECCOMAS2017), Paper No.167.
[ 4 ]
F. Cavalieri, A. Cardona, O, Bruls, J. Galvez, A Spatial Revolute Joint Model with Clearance in Mechanisms Dynamics, Proceedings of ECCOMAS2017 thematic conference on multibody dynamics(ECCOMAS2017), Paper No.121.

13・7の文献

[ 1 ]
黒沢良夫, 八木澤和稀, 山下剛, 尾崎哲也, 村上昌之, 高橋学, 中泉直之, ゴム・ウレタンからなる自動車用防音材の遮音性能解析, 日本機械学会D&D2017論文集, No.408(2017).
[ 2 ]
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[ 3 ]
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長町周, 日野順市, カルマンフィルタによる機械構造物の時間領域加振力推定に関する研究(5自由度モデルに対する適用), 日本機械学会D&D2017論文集, No.426(2017).
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河村庄造, 平原直人, 伊勢智彦, 松原真己, 機械・構造物に作用する外力の同定に関する研究(質量付加によって逆問題を正則化させる手法の検証), 日本機械学会D&D2017論文集, No.437(2017).
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宇津野秀夫, 榁木健太, 根本慎太郎, 片山博視, 岸勘太, 高血圧症の診断手法に関する研究, 日本機械学会D&D2017論文集, No.431(2017).
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吉永敦, 奥村洋平, 細矢直基, 神田淳, 岩﨑紗綾, 梶原逸朗, レーザーアブレーションを用いたLamb波の生成(金属チップによる損傷防止), 日本機械学会D&D2017論文集, No.441(2017).
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