図1に研究費総額と対国内総生産比率を示す.平成26年度の研究費総額は18兆9 713億(前年度比4.6%増)で,国内総生産に対する比率は3.87%である.
図2は研究主体別研究費の額と研究費総額に対する割合の年度による変化を示している.平成26年度の研究費総額の71.6%を占める企業等の研究費は前年度比7.0%の増加,研究費総額の8.9%を占める非営利団体・公的機関の研究費は前年度比3.1%の減少,19.5%を占める大学等の研究費は0.1%減となっている.
図3は,自然科学に使用した研究費を基礎研究費,応用研究費,開発研究費に分類した性格別の研究費の額と自然科学に使用した研究費全体に占める割合の年度ごとの変遷を示している.企業等で行われる研究が多いことから,開発研究費が最も多く,平成26年度は11兆1 574億円と自然科学に使用した研究費全体の63.5%を占め,基礎研究費は2兆6 032億円で14.8%,応用研究費は3兆8 166億円で21.7%を占めている.
平成26年度の研究費のうち,第4期科学技術基本計画(平成23年8月19日閣議決定)に掲げられている政府が最優先で取り組むべき課題3分野に使用した研究費と研究費全体に占める割合をみると,ライフイノベーションの推進が9 447億円(研究費全体に占める割合5.0%),グリーンイノベーションの推進が5 948億円(同3.1%),震災からの復興,再生の実現が833億円(同0.4%)となっており,ライフイノベーションの推進の研究費全体に占める割合が高くなっている.
図4は,第3期科学技術基本計画(平成18年3月28日閣議決定)に定められていた重点推進4分野等の特定目的別の研究費の額を示している.ライフサイエンス分野が3兆1 638億円で研究費全体に占める割合が16.7%,情報通信分野が2兆2 605億円で11.9%,環境分野が1兆2 215億円で6.4%,エネルギー分野が1兆795億円で5.7%,海洋開発分野が1兆177億円などとなっている.重点推進4分野では,ナノテクノロジー・材料分野が前年度比4.0%増,環境分野が1.3%増,ライフサイエンス分野が4.3%増,情報通信分野が4.9%減となっている.なお,平成23,24年度と前年度比二桁増の海洋開発分野については,平成26年度は前年度比0.6%増である.
企業における平成26年度の研究費を産業大分類別にみると,「製造業」が11兆7 551億円と研究費全体に占める割合が86.5%と最も多く,次いで「学術研究,専門・技術サービス業」が8 582億円,同6.3%,「情報通信業」が6 884億円,同5.1%となっている.
表1は,平成26年度の企業における研究費のうち自然科学に使用した研究費を産業大分類別に,研究費総額,基礎研究費,応用研究費,開発研究費に分けて示している.自然科学に使用した研究費は,全産業で前年度比7.0%増,製造業で4.4%増である.製造業の中では「輸送用機械器具製造業」が最も多い2兆8 448億円,前年度比13.9%増であり,平成26年度に自然科学に使用した研究費総額の20.9%を占めており,その85.0%が開発研究に使われている.
図5は,男性研究者と女性研究者の数を示している.平成11年度に7.6万人であった女性研究者の数は,年々増加し,平成27年度には13.6万人になり,まだ割合は少ないものの全研究者の14.7%となっている.
図6は諸外国との特許,ノウハウなどの技術の提供及び受入れである技術輸出の受取額と技術輸入の支払額を示している.平成26年度の技術輸出の受取額は3兆6 603億円で前年度に比べ7.8%増である.技術輸入の支払額は5 130億円であり,前年度に比べて11.2%減となり,3年ぶりの減少である.
図7は相手国別の技術輸出の受取額,図8は相手国別の技術輸入の支払額を示している.いずれもアメリカ合衆国相手が最も多く,技術輸出の受取額は1兆3 330億円で前年度比2.8%増であり,受取額全体に占める割合は36.4%,支払額は4 206億円で10.6%減であり,支払額全体に占める割合は73.3%となっている.また,技術輸出の受取額は,子会社などの進出が多い中国とタイが2位と3位を占め,中国が4 512億円で前年度比11.1%減,タイが3 204億円で3.8%増となっている.技術輸入の支払額は,アメリカ合衆国の他にはドイツ,スイス,イギリス,フランスなどヨーロッパ諸国が多い.
1・1の文献
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