第31期[2024年度]関東支部・支部長挨拶

関東支部の今期の方針

第31期関東支部・支部長 埼玉大学 荒居善雄


写真:荒居善雄 支部長  今年度、関東支部長を務めます、埼玉大学の荒居と申します。関東支部の運営では、お世話になることが多いと思いますが、よろしくお願いします。私は職場では、材料力学の教育・研究を行っている者です。日本機械学会の活動では、主に材料力学部門とJABEE委員会でお世話になっております。また、関東支部の活動では、埼玉ブロックの運営・諸行事に係らせていただきました。
 さて、私が関東支部の諸活動で注目したいのは、「地域貢献」です。関東支部の地域貢献としては、各ブロックが、それぞれの県および近郊地域において行う地域への貢献が主なものと思われます。対象を関東圏に広げた支部としての地域貢献もあると思います。いずれにしても、「その地域」への何らかの貢献に注目したいと考えております。
 商議員やブロック長として埼玉ブロックの活動に係らせていただいた際に、一般の方々向けの「〇〇ロボットコンテスト」の運営や実施を担当した経験があります。その際に、参加してくださるお子さんやご家族の様子などを、近くから拝見しました。お子さんがロボットを一生懸命動かしているのを、お子さん達以上の熱量で応援するご両親や祖父母の方々が印象的でした。コンテストとして勝敗を争う興奮の後に、機械いじりの楽しさ、ものづくりの魅力が参加者の心に宿っていく様子を感じ取った体験でした。「地域貢献」の内、一般の方々を対象とする場合には、参加された方々に機械いじりの楽しさ、ものづくりの魅力を体験していただくことが、その主な内容になると思います。将来、その方々の家庭から、機械に興味を持つ人が育まれるような土壌造り、と言えるかもしれません。
 「地域貢献」の内、対象が企業や大学等の方々の場合、各ブロックの活動が地域の企業間、大学間、および企業と大学の間のコミュニケーションの場として用いられれば、幸いです。支部や各ブロックが主催する各種セミナー自体が、参加者にとって、そのようなコミュニケーションの場になれば良いですし、支部商議員として様々な行事を企画・運営する際に、他企業、他大学等の商議員の方と協力して仕事をする機会自体を、コミュニケーションの場として活用していただけますとありがたいです。この種のコミュニケーションの場は、学会活動に特有な、所属団体を越えたつながりですが、そこに地域性が加わると起きることには、様々な可能性があります。
 最後に、支部活動、各ブロック活動を考えていく際に陥りがちな、運営側・企画側の判断基準について、一言、私見を述べさせていただきます。例えば、「魅力的な」企画にしたい、と企画者として考えるのですが、いつの間にか、「参加者や関わる方にとって魅力的」ではなく、「企画する側にとって魅力的」なもの、と言う判断基準になってしまうことがあります。また、参加者や関わる方々の楽しさや満足感が大切であることは言うまでもないのですが、そのような効果が期待できる企画であっても「従来と同じ」と言う言葉で企画自体が否定される、と言う場面もあります。お忙しい時間を割いて支部活動、各ブロック活動にご奉仕いただくのですから、このような事に陥らないようにしたいものです。重心を「地域貢献」におけば、「地域の方々」に貢献することを中心に考えますので、主役を間違えることにはならないのではないでしょうか。
 そういうわけで、今年は地域貢献に注目です。皆様、お忙しいとは存じますが、関東支部の運営にご協力をいただけますよう、よろしくお願いいたします。

歴代支部長挨拶