第22期[2015年度]関東支部・支部長挨拶

新たな魅力の関東支部

第22期関東支部・支部長 (株)日立製作所 佐々木 直哉


写真:佐々木 直哉 支部長  3月20日の支部総会で植田前支部長の後任として第22期の支部長を拝命致しました。責任の大きさを痛感しており、皆様のご期待に添えるよう努力いたしますので、ご支援よろしくお願い申し上げます。関東支部は、大変大きな組織であり今後、新たな飛躍が期待されています。
 これからのものづくりは、産業の急速なグローバル化により、国内においては、人的、経済的、技術的な空洞化や変化が進み、海外の生産現場においては、人、もの、情報、技術等に係わる種々の問題が生じてくると思われます。また、大量生産するという「従来のものづくり」から、3Dプリンタ、IoT(Internet of things)、ビッグデータ等の新しい考え方の登場により大きくパラダイムが変わる可能性が議論されており、今後、ITやシミュレーション、センシングなどとものづくり技術の融合等の新しいものづくり概念が必要になってくると思われます。一方、上記で示すような新しいパラダイムでは、地域のポテンシャルを最大限に発揮した産業やものづくりが大いに期待されると考えられます。
 上記背景の中で、これからの機械工学が直面する課題と期待は、例えば、1)要件・仕様が決まらないものと決まるものが混在する不確実な環境でものやコトを作る、2)従来製造方法の制約を受けない自由な形状や特性を作れる、3)生産、物流の形態が大きく変わる、4)ものを創造する教育が身近になる、など、様々でダイナミックなニーズに対応した魅力的な学問体系が望まれてくると思います。
 要素を含め、全体を俯瞰してものづくりをまとめるのは機械工学技術者に期待されるものであり、企業と大学、公的機関等が縦と横でつながり、知のネットワークをうまく形成することで新たな気づきが生まれる仕組みとして、支部活動の役割は今後大きくなると考えられます。
 関東支部は、支部全体としての活動と別に、関東地方の1都6県に山梨県を加えた8ブロックに分かれて各ブロックが中心となった活動が大きな特徴になります。従来からの小中高生も含めた人材育成活動としての工作教室やコンテスト、セミナー、見学会、産官学との交流会等の地域社会に密着した各ブロック活動のさらなる活性化を図って行きます。支部全体としては、機械の日イベントや講演会、関東学生会活動に加えて、見識と経験を豊富に持たれているシニア会員の活躍の場や支部独自の視点から見た講習会等の新たな施策を今後ともいくつか提案、検討し実行していきたいと思います。会員減少や収益向上等の課題に対しては、関係者で課題を共有し、改善策の検討、支部ステータス向上を進めて行きます。
 これからも、機械工学を通じて、社会に貢献していきたいと思います。支部の活動に対して、皆様方のこれまで以上の、ご理解、ご協力、ご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

歴代支部長挨拶