第102期部門長挨拶
魅力ある材料力学部門のために
第102期 部門長 泉 聡志
東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻
第102期の部門長を務めさせていただくことになりました。荒井第100期部門長、堤第101期部門長が築いた基盤を引き継ぎ、部門をさらに前に進めたいと思っております。
昨年度は様々な新しい試みがなされました。8月には、はじめての計算力学部門と合同のM&M・CMD若手シンポジウム、9月には、はじめての部門講演会(M&M2023)のコロケーション開催を機械材料・材料加工部門と行いました。両イベントともに、部門間の大きな相乗効果により、活発な議論の中、大成功に終わりました。この連携の流れを定着すべく、堤第101期部門長がコロケーションWGを立ち上げられ、機械材料・材料加工部門と継続的に議論していくことになりました。部門の講習会は、オンライン・ハイブリッドで開催され、資料のPDF配布を今年から行った結果、受講者・黒字ともに大きく増えました。講習会は、部門の予算の基盤をなしており、持続的に開催していくための議論を担当委員と行っています。
さて、今年度は、11月に国際会議APCFS2024(*1)が井上裕嗣先生(第94期部門長)をチェアに、開催されます。この会議はM&M2024を兼ねており、これも初めての試みです。楽しい企画などが多く予定されております。活発なご参加をお願いします。同じ11月には、機械材料・材料加工部門の講演会M&P2024が開催され、材料力学部門との連携OSが複数立ち上がる予定です。
材料力学部門の最近の活動については、是非、部門のニュースレター(*2)をご覧ください。昨年度は、6報が発行され、第89期部門長の林氏、発電用設備規格委員会委員長の東京大学の笠原先生、事務局の篠原氏、若手研究者、若手技術者、留学生の方々の寄稿を頂きました。また、カンファレンス、講習会の開催報告、研究会・分科会特集(No.59)、部門表彰者からの言葉が掲載されています。
学会は、自分の勉強したいことや、やりたいことを皆で協力して自由に実現する場だと思います。新しい活動・企画など遠慮なくご意見をお寄せください。
歴史ある材料力学部門を魅力的にするため、植松副部門長、永島幹事と共に取り組んでいきたいと思っております。皆様のご協力をお願いいたします。
*1 https://www.jsme.or.jp/conference/apcfs2024/
*2 https://www.jsme.or.jp/mmd/newsletter.html
第102期副部門長挨拶
時流に乗る+質実剛健
第102期 副部門長 植松 美彦
岐阜大学 工学部 機械工学科
この度、第102期(2024年度)の副部門長を仰せつかりました。
2023年はCOVID-19が5類感染症に移行し、対面の会議が増えてコロナ前の状況が戻ってきました。一方、一部の会議は効率を考えてリモートやハイブリッドとなり、講義についてはオンデマンドのままのものもあります。このように、COVID-19感染症拡大の前にはなかった環境が整ってきた2023年は、まさにポストコロナ(COVID-19との共存)時代の到来を象徴するような年でした。2024年は、さらにオンラインとリアルの最適化、すなわちベストミックスが推し進められ、ポストコロナ時代定着化の年となるでしょう。
経済に目を向ければ、東証株価が4万円を超え、春闘での高い賃上げ回答などを見ると、日本産業が力強く回復しているような明るい側面も見られるようになりました。材料力学部門において、企業と大学が材料力学の知識や知恵を共有することで、日本経済の力強さを確実なものにすることも、本部門の重要なミッションだと考えています。
部門には多くの分科会や研究会がありますが、そのような場が企業と大学の架け橋となるよう、ニューノーマルとも言われるポストコロナ時代の時流に乗った運営で活性化することが必要です。企業会員の減少傾向に歯止めがかからない状況がまだまだ続いており、企業と大学の交流の場を提供することに注力していきたいと思っています。
一方で、材料力学とは質実剛健な学問であり(と、僕は勝手に考えています)、ポストコロナや経済といった状況に左右されること無く、基礎的な研究を粛々と進めて行くべきという面もあります。部門における分科会・研究会、学術講演会などは、そのような基礎研究活性化の一助となるべき場という側面もあります。利益主導型ではない材料力学研究につきましても、いつか実ると信じて、企業会員様の温かいご支援をお願いいたします。
今年度は、泉部門長の掲げる部門の将来像を達成すべく、永島幹事とともにその活動をサポートし、部門委員会を盛り上げたいと思っております。産官学連携のみでなく、学会内での部門間連携など課題は多く、泉部門長のサポートには各部門委員の皆様のご助力も必要不可欠です。ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。