日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第118号
小田急電鉄3000形(特急ロマンスカーSE)
小田急電鉄(株)の特急専用車両として1957(昭和32)年に運用が開始された3000形(SE)には当時の様々な先端的技術が採用された.先頭部の形状検討では本格的な風洞実験が行われ,ボディは当時珍しいモノコック構造,駆動台車にカルダン駆動方式を採用し,2両の車体間にひとつの台車を配置した連接台車が採用された.本車両の開発には,国鉄(当時)の高速車両開発のためのデータ収集を目的とした鉄道技術研究所(当時)の協力があり,後の新幹線0系車両の開発のために貴重なデータを与えた.特に1957年に国鉄の東海道本線で行われた高速試験においては,当時の狭軌世界最高速度となる145km/hを達成し,新幹線の開発に向け国鉄関係者の背中を押すことになった.
ロマンスカーという呼称は,小田急電鉄(株)が運用する特急列車の総称であり,初代となる3000形(SE)はその丸みを帯びた愛嬌のある容姿で登場当時はミュージックホーンを鳴らしながら田園風景や街並みの中を走り周辺住民から親しまれた.1992(平成4)年に運用が終了した3000形(SE)は、現在、ロマンスカーミュージアムに保存展示されている.
《写真提供:ロマンスカーミュージアム》
公開(事前予約不要)
ロマンスカーミュージアム
- 開館時間:
- 10:00~17:00(入館は16:30まで)
- 利用料:
- 大人(中学生以上):900円、
子ども(小学生):400円、
幼児(3歳以上):100円 - 利用できない日:
- 毎週火曜日、年末年始
- 住所:
- 神奈川県海老名市めぐみ町1-3
- 電話番号(公開施設):
- 046-233-0909
- HPアドレス:
- 交通機関:
- 小田急線海老名駅下車(小田急線海老名駅隣接地)