今回の特集は「ナノ・マイクロスケールの熱流動」と題して,この分野で活躍されている若手の先生方に執筆をお願いいたしました.マイクロスケールでは表面力や表面反応,あるいは局所の電気的分極等が熱流動を支配し,さらにナノスケールでは今まで「集合」として扱われていた個々の原子・分子などの役割が顕在化します.デバイスにおいては混合・分離等,熱流動をコントロールする特別な方法が必要となり,またその熱流動を詳細に調べるための特別な計測手法の開発も重要となります.解説記事からも分かりますように,ナノ・マイクロスケールの熱流動に関する研究は,既存のいわゆる熱流体工学と生物学,物理化学とが密接に関係しており,今後より一層の融合・発展が期待される分野です.本特集が皆様のナノ・マイクロの世界に対する関心を深める一助となれば幸いです.末筆となりましたが,話題を提供してくださった執筆者の先生方に深く御礼申し上げます.
12月号担当
徳増 崇 (東北大学)
深潟 康二 (東京大学)
平元 理峰 (北海道工業大学) |