ニューズレター

このページでは,設計工学・システム部門 Newsletter No.38の内容をお届けします (2013年 4月発行) .

発行:2013/4/27
ページ製作・編集 D&S広報委員会

Newsletter No.38

第22回設計工学・システム部門講演会 開催報告

実行委員長 広島大学 北村充

日本機械学会 設計工学・システム部門は,第22回設計工学・システム部門講演会を,2012年9月26日〜28日に広島大学工学部(広島県東広島市)にて開催いたしました.

【開催趣旨】

高い経済水準にある日本にとって,安い価格で生産できる新興国との価格競争に勝機はありません.安い労働力を求め海外移転を進めると産業の空洞化が起こります.健全な技術立国として存続するには,「海外で売れるものを国内で生産する」という当たり前の考え方を基本に置くことが重要です.世界で売れる魅力的な製品にも様々なタイプがあります.高性能・高機能など製品そのものの価値を重視するもの,ニーズに基づいた製品の開発やそれを提供するスピードが支配的なもの等です.工学に関係する各学会は,このような製品提供に関する要請に応えるべく重要な役割を担っています.

また,理工系離れと言われてから久しいですが,天然資源に恵まれない日本にとって製造業は非常に重要であり,それを担う若い技術者の育成が必須です.そのためには,製造業をより魅力的にし,若者が自らの意志で進路を希望する分野にしなければなりません. 前述の要請に対して,設計工学・システム工学の学術領域が請け負う部分は多々あります.そこで,本講演会は,それに対する提案や問題解決のヒント等をお示しする絶好の機会を提供し,最新の研究成果の発表とそれに基づく活発な討論を行いました.

【講演会概要】

ライフサイクル設計,サービス工学,知識マネジメント,デジタルエンジニアリング,最適設計,ユーザビリティ,感性など,設計工学・システム工学の各領域から,133件の最新研究成果の発表があり,それに基づく活発な討論が行われました.同時にコンテスト形式でポスター展示も行われました.

また,特別講演では,小林亮教授(広島大学大学院)から「計算するアメーバの不思議」と原田靖裕様(マツダ株式会社)から「SKYACTIVEテクノロジーとその開発を支えたモデルベース開発」の2件の発表がございました.普段,なかなか知り得ないご講演内容は,参加者から大変な関心を集めました.

また,産学連携ワークショップでは,「設計工学・システム部門の産学連携の現状と,当部門が果たすべき役割」のテーマで,産官学の代表として問題提起と,ラウンドテーブル形式で活発な議論が行われました.

このように,全国からご参加いただいた皆様との活発な討議を通じて,今回の講演会も盛況のうちに終了いたしました.今回お会いできなかった皆様におかれましても,来年度の講演会へのご参加を是非お待ち申し上げます.

詳細報告

 各セッションにおいてどのようなテーマを取り扱い,どのような議論が行われてたかにつきましては,セッションの座長の方に概要をそれぞれおまとめいただきました.以下のページに掲載しておりますので,セッション議論概要報告をご覧下さい.
 部門講演会2日目の夜には,懇親会が行われ,参加者は懇親を深めました.この懇親会の席上で,第90期部門賞・部門表彰が行われました.表彰者については部門関係受賞者のページをご覧下さい.
 また,産学連携ワークショップの報告を,NewsLetter増刊号として近日中に発行予定です.「産学連携ワークショップ2012概要報告」を公開するまで少々お待ち下さい.
 なお,来年度の部門講演会(第23回設計工学・システム部門講演会)は2013年10月23日(水)〜25日(金)にかけて,沖縄県読谷村にて開催されます.本年度にも増して,様々なプログラムを予定しておりますので,発表者として,または聴講者として奮ってご参加下さい.

 

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