技術と社会部門企画(講演会・見学会)
技術と社会の関連を巡って:過去から未来を訪ねる
開催報告


堤 一郎(職業能力開発総合大学校)


 2002年10月19日(土),京都大学の京大会館で開催された標記講演会は,今年で4回目を迎える.初回は今回と同じ京都大学(実行委員長は柴田俊忍教授:現在名誉教授)で開催されたのを懐かしく思い出す.今回は翌20日(日)に技術と社会部門として初の,「経営と技術移転に関する国際会議」(実行委員長は城下荘平助教授)が開催されることが例年と異なる特筆すべき事項であった.このため見学会は,海外からの招待講演者ともども21日(月)に実施された.

 19日の講演会は技術教育・工学教育と機械技術史・工学史の二つのオーガナイズド・セッションで開催され,前者10件,後者3件の講演発表がありいずれも活発な質疑応答がなされた.参加者の中には,翌日の国際会議でも講演された熱心な方々もかなりいた.技術と社会部門の活動が,研究への情熱にあふれる数多くの会員によって支えられていることを,本当に嬉しく思う.

 13時から90分にわたっておこなわれた基調講演は龍谷大学名誉教授 中村 宏先生による「新幹線の台車設計」であり,旧国鉄時代に自らが成し遂げたすばらしい仕事を振り返りながら,まさに技術・社会・歴史の三つの領域をカバーする大変興味深い内容であった.会場では多くの会員が熱心に先生の講演に聴き入っていたのが印象的であった.

 技術と社会部門では2003年3月横浜市の関東学院大学で開催される関東支部第9期総会・講演会では先の二つのオーガナイズド・セッションと,2003年8月徳島市の徳島大学で開催の年次大会でもいくつかのオーガナイズド・セッションと他の行事を企画している.技術と社会部門に登録される多くの会員諸氏の積極的な参加を今後も大いに期待したい.簡単ながら講演会・見学会のご報告とする.


中村宏氏の基調講演風景


講演風景

※写真をクリックするとフルサイズ(45KB)写真が現れます.

※見学会に関する報告は,こちらです.

      

目次へ
日本機械学会
技術と社会部門ニュースレターNo.13
(C)著作権:2001 社団法人 日本機械学会 技術と社会部門