目次へ戻る   前のページ   次のページ


Part 1 第34回全国学生研修会にて

山形大学 大学院工学研究科
生体センシング機能工学専攻
  M1    菊池 裕之

 8月8日から10日の三日間にわたり東海地区で行われた第34回全国学生研修会.私ははじめ研修会自体あることを知らず,まして参加することなど夢にも思っていなかったのですが,私の実家が名古屋という事もあり研究室の先生に勧められて参加することになりました.私の研究室は<生体センシング機能工学>という専攻主体で,今回の研修でお伺いした中部HSSTさん,トヨタ自動車さん,三菱重工さんと直接私の研究分野とは関係のない企業であったので,少々気乗りのしないところがあったのは事実でした.しかし予想に反して研修会は興味深いものでした.私がそれぞれの企業で特に印象に残ったところを手短にお話ししましょう.
 はじめにトヨタ自動車さん,ここでは電波暗室,風洞実験室など滅多に見ることの出来ない研究風景を拝見させていただき,そのあと,研究所内のさまざまなテストコースを走行(バンク角42度をバスで).
 次に中部HSSTさん,常伝導リニアモーターカーの試乗は何とも言えないものでした.加速感及び静粛性ともに従来の電車とは全く違う(全てにおいてスムーズ),まさに近未来の乗り物であると思いました.しかも研究所の方のお話によれば運輸省の認可もすでに下りたということなので,今世紀中に国内を走るという話です.
 そして三菱重工業さん,ここではH−Uロケット,ボーイングの胴体などの製作風景を拝見させていただいたのですが,防衛庁関係の工場施設には立ち入ることが出来ず,一番見たいところが見れないといった悔しさが残るものでした.
 最後に対人関係について.私は自分の大学から一人で行ったのでもちろんはじめは友人は一人もいませんでした.結局,最初に知り合いになったのは同志壮大学の人でした.その後知り合いになったのも関西学院大学の人などなど・・・,と言った具合にとにかく私の周りには関西系の人が多かった.しかし,山形という遠い地まできて,関西の方の人と知り合いになるなんてことは夢にも思わなかったので貴重な体験ができたと思います.全国の人と接するにはとてもいい機会だと思うのでみなさんも参加してみてはいかがでしょうか.

Part 2 生体センシング機能工学専攻について

 現在,高度科学技術社会の進展に対応して,人と人工物,人工物と自然の調和を考えて,生命体の状態を高い精度と信頼性を保って認識する必要があります.<生体センシング機能工学>とは,その活動を維持するための先端的なセンシング技術,生体環境の制御技術を展開して,我々の生命,生活の支援を行う高度な科学技術に関する学問のことです.このセンシング機能関連分野は21世紀の科学技術の鍵になる物として期待されています.
 山形大学では,大学院工学研究科に独立専攻<生体センシング機能工学専攻>を新しく設置しました.学部を持たない独立した大学院で,全国から大学院入学希望者を募集しています.そこでは,生体という最高のシステムから学びこれを対象とする新しい科学技術の創世が始まります.
 この専攻において目的とされる教育研究内容と養成される人材のことを多少具体的に言うと,例えば,生体からの機能状態に関する情報を取り出すための,高度で機能的なセンサーとそれを用いたセンシングシステムとの科学技術,さらには,状況に応じて生体の活動環境の制御をも支援する科学技術について教育研究を行います.生体の持つ優れたシステムについて先端的な工学システム,機能素子についての基礎を身につけた科学技術者の養成を目指している.


目次へ戻る   前のページ   次のページ