機械に学ぶもの 鶴岡高専 機械工学科5年 佐藤 光弥 白く輝く月山に囲まれたここ鶴岡市郊外にある鶴岡高専。近くに金峰山が讐える校舎周囲の環境は五年前とほとんど変わりません。昭和60年4月、定員80名である機械工学科の一員としてスタートし、幾日も金峰山を眺めながらようやくこの5年間がゴールします。又、来年度から機械工学科の募集定員が半分になり、新たに情報制御工学科が誕生し、我が高専も先端技術へ向けて生まれ変わろうとしています。 ところで、この学科の道を選択した理由は、単に動く物が好きだったこと、自動車、飛行機、船、何でも当てはまります。この様な動機で道を進んだ人も数多くいるはずです。しかし、学問はそれほど甘くはありません。高専のカリキュラムは、一貫教育のため、学年が進むごとに専門分野は広くなります。又、入学当初は、手慣れしない定規の使い方で、設計製図を描いていたことや、手に握るマシン油の感触や焼けろ匂いが好きで、機械実習には、講義以上に熱中した事も脳裏に焼き付いています。又、学問上での最大の難関は四年生で登場する俗に言う”四力”でした。つまり、機械力学・材料力学・水力学・熱力学の事です。技術者として軽視できない力学は、高専生としては、最も不得意な科目であり、毎回、期末試験に失敗する度、図書閲覧室に日が暮れるまで通ったことも思い出します。又、レポート提出日に重なると四苦八苦し、このような事も日常だったと思います。今日では、五年間の集大成である卒業研究も何とかまとめ上げることが出来、卒業も間近に控えています。企業にとって、今まで学んだ事が必要にされるかは別問題として、かつての四力が存在する上で今日の社会があることを認識しなければなりません。 |