部門長挨拶
第102期部門長 吉見 卓(芝浦工業大学)
第102期ロボティクス・メカトロニクス部門長を仰せつかりました、芝浦工業大学の吉見卓です。102期を迎えるにあたり、皆様にご挨拶を申し上げます。今期は田中孝之副部門長(北大)、平山元樹幹事(JUKI(株))と力を合わせ、さらには企画委員会、運営委員会の先生方のご協力をいただきながら、部門運営を進めて参る所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
昨年度からの部門の動きの一つとして、分野連携・部門間連携について、皆様にご紹介をさせていただきます。現代社会が抱える複雑で多様な課題を解決するには、これまでのような単一の分野の技術だけでは難しく、複数の分野の技術を連携・融合させる必要性が、近年高まってきております。そこで、機械技術に関連する22部門を有し、多くの技術者・研究者が集う機械学会が、さらに強みを発揮するために、機械学会全体で部門間の連携を推奨し、押し進めております。この動きに対して、ロボティクス・メカトロニクス部門では、対象とする分野が、元来それぞれの要素技術の研究開発とともに、それらの組み合わせにより世の中が求める機能・性能を実現するシステム化技術の研究開発を進めてきたことから、分野連携・融合は特別なものではなく、これまで様々な取り組みがなされてきました。このため、当部門は機械学会内で先陣を切って分野連携・部門間連携を押し進めており、田中真美前部門長(東北大)のご尽力により、昨年開催したRobomech2023の中の数多くの部門間連携OSから優秀な分野融合研究を表彰する制度が新たに設けられ、また部門内に部門間連携委員会が設立されました。これを受けて、先の部門表彰委員会は、Robomech2023での6つの部門(交通物流、情報・知能・精密機器、スポーツ工学・ヒューマンダイナミクス、マイクロ・ナノ工学、バイオエンジニアリング、機械力学・計測制御の各部門)との連携OSにて発表された優秀な講演22件を、分野融合研究優秀表彰に選定し、Robomech2024の表彰式で表彰することとしております。当部門は本年度もこの流れを引き継ぎ、他部門との分野横断連携を推進して参ります。
その他の取り組みとして、部門の国際化および産学連携強化(企業会員増)を進めたいと考えます。近年、ロボティクス・メカトロニクス講演会においても英語での発表が見られるようになりましたが、その数はRobomech2023で全体の発表件数1467件の約3%とまだ少なく、また参加者総数2172名のうち企業所属の方は約10%で、全体の規模の割には企業の技術者・研究者の方に参加いただけていない、といった状況です。これらの課題への対応については、他学会での取り組み等も参考に進めたいと思いますが、Robomech2024開催までの時間が少ないことから、Robomech2025も含めて検討を進めて参ります。
部門最大の行事であるRobomech2024は、2024年5月29日(水)から6月1日(土)の日程で、「ロボティクス・メカトロニクスの社会実装を通じた学術の深化」をテーマに宇都宮にて開催され、現在、実行委員会、プログラム委員会の先生方を中心に、準備を進めていただいているところです。皆様がこの講演会を、活発な情報交換の場としてお役立てくださることを大いに期待しております。
最後に、この1年間、皆様のご協力の下で部門活動を進めて参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
掲示責任者: 日本機械学会ロボメカ部門広報委員会