講習会 07-113 次世代超々臨界圧発電技術(A-USC)
(動力エネルギーシステム部門 企画)

協 賛(予定)  エネルギー・資源学会,火力原子力発電技術協会,石炭エネルギーセンター,ターボ機械協会,日本エネルギー学会,日本ガスタービン学会,日本金属学会,日本材料学会,日本鉄鋼協会,日本ボイラ協会,腐食防食協会,溶接学会
   
開催日 2007年12月14日(金) 10.00〜17.00
会 場

東京工業大学 大岡山キャンパス 百年記念館3階フェライト会議室
(東京都目黒区大岡山2-12-1)
東急目黒線・大井町線大岡山駅下車徒歩1分
東京工業大学大岡山キャンパス・正門わき 電話:(03)5734-3340
http://www.libra.titech.ac.jp/cent/welcome5.html

趣 旨 わが国では,石炭ガス化複合発電(IGCC)をはじめとした各種石炭利用発電技術開発が行われていますが,超々臨界圧発電技術(USC)は,蒸気温度600℃級の実用化を迎えており,日本の技術は世界をリードしています.それに対し,海外ではEUを中心としたTHERMIEなど,蒸気温度700℃超級を目標とした次世代USC(A-USC)開発プロジェクトが開始されており,技術開発が進められています.高効率プラントの運用によるCO2排出量削減効果のみならず,炭種適合性の異なる様々な技術を使い分けることにより,有効な石炭利用を図るためにも,USC技術の高度化は重要です.本講習会は動力エネルギーシステム部門「700℃級超々臨界圧(A-USC)発電技術に関する調査研究分科会」の報告として,国内外におけるA-USC技術の開発状況の現状と,A-USCプラントを構成する各種要素開発に向けた具体的な技術課題について解説するものです.

題目・講師

(1) 10.00〜10.45 USC技術の現状とA-USC開発状況
  汽力発電の蒸気条件は着実に向上し,近年運開したプラントは超臨界圧で600℃級が主流である.このような蒸気条件は超々臨界圧蒸気条件(USC)とも呼ばれている.蒸気条件の向上はボイラや蒸気タービンに使われる耐熱材料の改善によって達成された面が大きい.近年CO2問題に対応するためさらに高効率な700℃超級のA-USC技術の開発がヨーロッパ,アメリカ,日本で進められつつある.本講演ではこれらの状況について紹介する.
上智大学 理工学部 機械工学科 講師  福田 雅文
(2) 10.45〜12.00

A-USCプラントの概念設計
  主蒸気700℃級二段再熱,主蒸気700℃級一段再熱,再熱蒸気700℃級一段再熱の各方式について,A-USCプラントの概念設計を行い,それぞれのプラント構成,機器構造,および性能についての検討例を紹介する.現状600℃級USCプラントとの相違点,ならびに,各方式におけるNi基合金など材料の適用範囲の違いなど,A-USCプラントのイメージを明らかにする.
三菱重工業(株) 原動機事業本部 主席技師  田中 良典

(3) 13.00〜14.00

A-USCボイラ技術
  A-USCボイラの開発では,@ボイラ材料,Aボイラ構造,B製造技術の検討課題が挙げられる.A-USCボイラを実現するためには従来実績の無い高温高圧蒸気条件に耐える高温材料の開発,開発された材料のボイラ使用環境における健全性の検証,溶接・工作技術の確立,材料特性・製作制限を考慮したボイラ設計・運用性の最適化が必要となる.これらについての開発課題を整理する.
三菱重工業(株) 長崎造船所 ボイラ技術部 課長  外野 雅彦

(4) 14.00〜15.00

A-USCタービン技術
A-USC発電に使用されるタービンにおいても,Ni基合金による大型ロータの製造,Ni基合金と高Cr鋼との異材溶接技術など,従来の蒸気タービンにはなかった技術の適用が必須となる.また,700℃以上の蒸気条件で使用可能な主蒸気弁の開発なども必要である.現状技術レベルと開発課題について整理する.
(株)東芝 電力システム社 火力・水力事業部 
グループ長  高橋 武雄

(5) 15.15〜16.00

A-USCプラントの経済性とCO2排出量削減効果
  A-USCプラントの経済性について,A-USCの経済性が600℃級USCの経済性と同等以上になるような目標建設コストについて,Break-Even法による試算結果を紹介する.また,ライフサイクルCO22排出量の観点から,A-USCプラントによるCO2排出量削減効果について,他の発電方式との比較も交えて紹介する.
(株)日立製作所 電力・電機開発研究所 主任研究員  齊藤 英治

(6) 16.00〜17.00

A-USCプラント適用材料の開発課題
  A-USCプラントのコストを抑えるためには,従来材である高Cr鋼に加え,耐熱性に優れるオーステナイト鋼やNi基合金を適材適所で使い分けることが重要となる.A-USCプラントへの適用を念頭に,各材料がもつ弱点と改良に向けた開発課題を整理するとともに,機器製造に不可欠となる異材溶接技術開発の重要性について述べる.
物質・材料研究機構 新構造材料センター 
グループリーダー  阿部 冨士雄

*事情により講師が変更となる場合もあります.あらかじめご了承ください.

定 員 80名 申込先着順により,定員になり次第締切ります.
聴 講 料

会員 20,000円(学生 7,000円),会員外 30,000円(学生 10,000円)
本料金には昼食代及び教材費を含みます.
開催日の10日前までに聴講料が着金するようにお申し込みください.なお,聴講券発行後は取消しのお申し出がありましても聴講料の返金はできませんのでご注意願います.協賛団体の会員の方は本会会員と同じ扱いとさせていただきます.

教 材 「P-SCD353 700℃級超々臨界圧(A-USC)発電技術に関する調査研究分科会」報告書を教材として利用いたします.参加申込者へは教材として1部お渡しいたします.なお,講習会に参加しない方で,別途報告書をご希望の場合は会誌12月号掲載(予定)の報告書についてのご案内を確認ください.
申込方法

申込者1名につき,http://www.jsme.or.jp/gyosan0.htmに掲載の申込書に必要事項を記入し代金を添えてお申し込みください.
下記ホームページからもお申し込みいただけます.
http://www.jsme.or.jp/kousyu2.htm

担当職員 高杉史靖