子供たちの夏休みが始まった初日にあたる7月21日,昨年とほぼ同様の内容のジュニア会友を対象とした親子見学会を実施した.本年は昨年に比べて若干参加者が少なく,しかし総勢63名の参加者を得て,にぎやかにまた楽しく実施することができた.11時に東京駅近くの鍛冶橋駐車場に集合し,2台のバスに分乗,一路つくば市に向かった.首都高速の渋滞のため,余裕を見ていたにもかかわらず宇宙センターに到着したのは見学会開始予定時刻の13:00であった.さっそくビデオ上映から始まり,案内係のお姉さんの説明もよろしく,展示室,宇宙ステーション試験棟,宇宙飛行士養成棟・無重量環境試験棟をバスごとに順序を変えて順次見学した.見学終了後は,この親子見学会のメインイベントとも言うべき,JAXA若手職員による講演会を記者会見室にて行った.本年は総合技術本部の小松雄高開発員と西元美希開発員のお二人に講演を担当していただいた.お二人とも2年目の若手で,人工衛星の構造,役割,打ち上げなどについて非常によく準備されたパワーポイントを駆使して,丁寧にお話いただいた.筑波広報グループの石井博美さんには司会からマイク係までこなしていただいた.お二人のお話の後,子供たちによる質問の時間になった.昨年に比べて質問が頻出し,石井さんの「何か聞きたいことはありますか」の呼びかけに,子供たちが「はい」,「はい」とにぎやかに手を挙げ,マイクを握り締めながら「隕石が衛星にあたったらどうする?」,隕石がロケットに当たったらどうする?」などと盛んに質問してくれた.どうも今年は隕石が多かったように思うのだが.きっと見学中にデブリによる衝突の痕跡を興味深く見ていたのに関係しているのだろう.子供たちにとっては液体水素,酸素,スーパーインシュレーション,LE7A...といった問題よりも,隕石の衝突が分りやすくて,きっと最も大切な問題と思えたのだろう.結局ほとんど全ての子供たちが質問する結果となった.最も専門的な質問は参加者のなかに高専の学生がいて,画像の伝送の際にどのような画像圧縮を用いるのかといった,極めて専門的なものがあったのが印象的であった.休憩時間のおりにはみんな売店に集結し,お土産などいろいろ買ってもらっていた.質問が全体的に多かったため,予定の時間を若干オーバーして,見学会が終了し,再びバスにて帰路についた.帰路においては往路を上回る渋滞があり,避けるために少し大回りをして,結局18:00すぎに丸の内に到着した.去っていく子供たちがいずれも我々担当委員に丁寧に挨拶し,楽しげに去っていったのが今でも思い出される.今回の親子見学会は夏休み初日でもあり,せっかくだからこの見学会を契機として自由研究として提出してもらう予定である.果たして何人の子供たちが作品を提出してくれるか未知数だが,特にお母様達の様子から推察するに,ほとんどの子供たちが応募してくれるものと確信している.
今回の見学会の実施に当たっては,東京海洋大学の学生諸君にボランテイアとして協力していただいた.また担当していただいた企画委員各位,事務局高杉氏に感謝する次第である.最後に今回の見学会の成功はひとえにJAXAの全面的な協力によっている.特に講師を引き受けていただいた小松,西元両開発員,そして広報の石井さんの全面的な協力の下で行われたものであることを記し,謝意を表したい.最後に本事業は機械工学振興事業資金助成によったものであることを記し,合わせて感謝する次第である. |