◇講習会報告◇
部門講習会02-36 「配管内円柱構造物の流力振動 −機械学会指針とその後の研究動向−」

部門企画委員会
森下 正樹(サイクル機構)

 2002年6月14日に,58名の参加を得て日本機械学会会議室にて「配管内円柱構造物の流力振動」に関する講習会が開催された。

 各種プラントで使用される温度計などを対象とした「配管内円柱状構造物の流力振動に関する評価指針, JSME S012-1998」は1998年9月に発行されましたが,ここ数年の活発な研究によって,この分野において,高レイノルズ数領域における流力振動など注目すべき成果が得られています。そこで,1998年7月に設置されたプラント内円柱構造物の流力振動に関する調査研究分科会(P-SC306,動力エネルギーシステム部門所属) では,このような研究の方向付け,情報交換,研究成果の集約やその公開等の役割を果たすべく,3年間の活動を行なってきました。

 今回の講習会では,流力振動に関する研究の最前線でご活躍の講師の方々から,最新の研究成果を含めた講演を頂きました。

 まず,金沢大学・岡島厚教授より,円柱の流力振動に関する学会指針の概説がありました。続いて,サイクル機構岩田耕司氏より円柱の流力振動の回避・抑制条件に関する研究動向の紹介がありました。さらに,サイクル機構森下より,配管内円柱の流力振動に関する研究動向と題して,P-SC306研究分科会の活動成果を中心とした講演を行いました。

 午後からは,超臨界レイノルズ数領域における円柱流力振動,円柱構造物の流力振動に及ぼす種々なパラメタ,並びに円柱流力振動の理論解析といった個別のトピックスに関する最新の研究動向について,それぞれ日立製作所・河村勉氏,原子力安全システム研究所・中村晶氏,及び東芝・萩原剛氏から説明がありました。



講習会の様子


 講演者の方々から技術的,専門的な内容をかみくだいてわかり易く説明いただけたことにより,アンケートの結果も,有意義であった,参考になった,という意見を多数頂きました。