日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第124号
ひずみゲージ K-1 型
共和無線研究所(現(株)共和電業)創業者の渡邉理は、1951(昭和26)年、日本初の国産商品となる「赤いフェルトのついたひずみゲージK-1型」を販売開始した。
開発の端緒は、その前年に運輸省運輸技術研究所船舶構造部よりひずみゲージの試作依頼を受けたことである。当時の日本では、鉄道用のものが研究されていたが、市販化されておらず、米国製など高価な商品を輸入していた。陸軍航空技術研究所に所属していた渡邉は、戦時中に墜落したB29爆撃機の調査を行った記憶を辿りながら試行錯誤を重ねて検討し、開発に成功した。ゲージ長(ちょう)20.5mm、線径25µm、120Ωの抵抗値で、ゲージを保護するために赤いフェルトで覆った。実船の応力測定で日本で最初に用いられ、従来のリベット接合から溶接に変更するための強度解明に寄与した。
当時,輸入した米国製のひずみゲージが1枚1,000円以上したものを、1枚86円の低価格で販売したことから、日本でひずみゲージを活用した製品開発に大きく貢献した。特に機械工学などの研究分野では欠かすことのできないツールである。
その後も順調に販売を続けており、現在でも国内シェア約50%を誇る。
《写真提供:株式会社共和電業》
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株式会社共和電業 本社
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