日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第123号
マカダムローラ サカイ R1
道路整備に不可欠な締固め機械(ロードローラ)のうち、3輪のマカダムローラは、1920年代までは欧米の機械が輸入されてきた。1930(昭和5)年に国産第1号の内燃機関搭載マカダムローラを製作販売開始した酒井工作所(現 酒井重工業(株))は、1968(昭和43)年に革新的な新機種R1を開発した。
従来のマカダムローラの問題点であった、路面材料の押出し、引きずり現象の発生を、R1は、全輪駆動、全輪同一径、同線圧、同調駆動の構造により解決した。従来の前1輪後2輪から、前2輪後1輪とし、全輪が油圧駆動で前後の線圧とロール径を同一にし、さらに、車体自体が屈曲して舵をとる方式にした。これにより、旋回半径が小さくなり、曲線転圧でも踏み残しが少なく、転圧幅(2.3m)を同一条件で締固めることが可能となった。運転席は車体上部にあり、左右どちらのハンドルでも運転ができ、作業性に優れる。R1の構造が業界スタンダードとなり、1974(昭和49)年には日本の道路事情に対応した小型のR2が開発され、R1と同じ構造を引き継いでいる。
本機は、1979(昭和54)年製造(30345号)で、レストアし社内で動態保存されている。
《写真提供:酒井重工業株式会社》
公開(事前予約)
酒井重工業株式会社 生産センター
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