日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第115号
木材プレカットシステム MPS-1
現在の一般住宅では木造住宅比率が57%、そのうち76%が軸組み工法を採っている。従来、この工法では、熟練した大工職人により軸材の配置・組み立て方が設計され、現場で手加工が行われていた。
木材加工機の製造を行っていた宮川工機は、その工程を、工場であらかじめ組手を加工してそれを現場に搬入するプレカット(同社による造語)により置き換えることを企画し単機能の機械を開発した。この過程で、接手、仕口の形状を機械での加工に適した円弧形状への転換がなされ実用新案が取得された。この工法は当初、なかなか大工職人に受け入れられなかったが、1978(昭和53)年頃の持ち家ブームを受けた人手不足から普及が進んでいった。
その後、それまでの単機能の手動加工機をCAD/CAMの連携システム化することが企画された。この装置は1985(昭和60)年に製造されたプレカットCAD/CAMシステムの加工機械部分で、現場での作業から、事前に加工を行い現場に搬入して組み立てを行う形に転換させた。現在、軸組み工法の93%はプレカット工法であるが、その端緒となる機械で、宮川工機はプレカット機械の60%のシェアを占めている。
《写真提供:宮川工機株式会社》
公開(要事前予約)
宮川工機株式会社
- 開館時間:
- 9:00~17:00(受付は16:00まで)
- 利用料:
- 無料
- 休館日:
- 土、日、祝祭日、年末年始、お盆
- 住所:
- 〒441-8019
愛知県豊橋市花田町字中ノ坪53番地
- 電話番号:
- 0532-31-1251
- HPアドレス:
- 交通機関:
- JR豊橋駅から徒歩15分