日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第91号
日本工業大学の所蔵する歴史的工作機械群
日本工業大学の工業技術博物館は、1987(昭和62)年に開設された国内最大規模の工作機械展示施設である。明治中期から昭和50年代に輸入または国内製造された歴史的工作機械が多数収集されており、現在の所蔵台数は232台である。機種別、年代順に展示され、その多くが稼働状態で、輸入から模倣機製造、技術提携の時代を経て発展した経緯を理解できる。かつて操業していた5つの町工場の主要部分を移設した展示では、現代の工作機械が個別のモータによって駆動しているのとは違い、1台のモータが複数の工作機械をベルトによって駆動するシステムを再現している。これは、単なる古い工作機械の展示としてだけではなく、工場システムの時代的変遷を俯瞰できるものとして工学史上の価値も高い。これらの歴史的工作機械群は、工作機械メーカ・商社社員等の研修にも用いられ、さらに、工作機械には全くなじみのない一般市民が、それに間近に接する機会を設けるなど、ものづくり技術の役割、重要性を広く知らせている。また、隣接する別館には、旧国鉄で永年活躍した1891年製の蒸気機関車も動態保存されている。なお、保存されている工作機械群の多くは登録有形文化財となっている。
《写真提供:日本工業大学》
公 開
日本工業大学工業技術博物館
- 開館時間:
- 9:30~16:30(入館は16:00まで)
- 入場料:
- 無料
- 休館日:
- 日曜・祝日、年末年始、8月中旬~下旬、入学試験日など
- 住 所:
- 〒345-8501
埼玉県南埼玉郡宮代町学園台4-1 - 電話番号:
- 0480-33-7545
- HPアドレス:
- https://museum.nit.ac.jp/
- 交通機関:
- 東武スカイツリーライン
東武動物公園駅から徒歩15分