日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第89号
組合せ計量機(ACW-M-1)
石田衡器製作所(現(株)イシダ)は、1972(昭和47)年に、サイズの異なるピーマンを組み合わせて一定の重さに仕分けするピーマン充填用自動はかりの特許を出願し、後に特許を取得した。
当時、農産物の袋詰めは、人手に頼っていたことから時間がかかり、また、詰め過ぎによる大きな損害が生じていた。本機は、連続投入されたピーマンを回転円板・振動装置・リンク機構により搬送し、一つずつ計量した後、中央演算装置で、指定の組み合わせ重量に最も近いものを選び出す。毎分30組を150±2gの精度で傷つけず仕分けることができた。
本機は、1973(昭和48)年に製造された初号機であり、農協で実際に使用されていたものを譲り受け、滋賀県栗東市の同社滋賀事業所のロビーに動作可能な状態で保存されている。
本機シリーズは、現在までの累積出荷台数が3万台を超え、スナック菓子・農産物・ソーセージ・冷凍食品・薬品・機械部品など、大きさや形状がばらばらの商品を一定量ごとにパッケージする定量袋詰め装置の世界シェア70%を占めている。本技術は、食品のみならず様々な産業分野に広く使われている。
《写真提供:株式会社イシダ》
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