日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第49号

ファスナーチェーンマシン(YKK-CM6)

 YKKの創業者 吉田忠雄は、第二次世界大戦後、品質の良い外国製ファスナーを見て発奮し、富山県において吉田工業(当時)を設立し、国産ファスナーの製造を本格化した。
 同社では、1950(昭和25)年に導入した米国製ファスナー製造機械(チェーンマシン)の生産性向上、品質向上を追求し続け、1953(昭和28)年、かみ合う部品(務歯(むし))を間欠的に植付ける機構を自社開発し改良機に搭載した。この間欠植付け機構部分は、当時画期的な発明であり、YKKの特許第一号となった。その後、平角線からのパンチとダイによる務歯打ち抜き、および間欠植付け機構を備えた完全自社開発のCM3型機が1959(昭和34)年に開発された。本機はCM3型の後継機で、1964(昭和39)年から製造を開始した当時世界最高水準の性能を有したCM6型機のうちの一台(1981(昭和56)年製)である。
 これらの創意工夫により、材料から製品まで一貫して製造されたファスナーは、高品質で低価格となり、現代生活の中で服飾に限らず、自動車や新幹線のシート、トンネルの防水や宇宙服の気密保持に至るまで、あらゆる分野で使用されており、国民の生活向上と産業の発展に大きく貢献している。

《写真提供:YKK株式会社》

公 開

YKKセンターパーク

開館時間:
9:00~16:30
(入場は15:30まで)
利用料:
無料
利用できない日:
月曜日(祝日の場合は翌平日)、
年末年始、特定日
*その他都合により休園する場合があるので、予めご確認下さい。
住  所:
〒938-8601 
富山県黒部市吉田200
電話番号:
0765-54-8181
HPアドレス:
http://www.ykkcenterpark.jp
交通機関:
北陸新幹線「黒部宇奈月温泉駅」より路線バスで約20分あいの風とやま鉄道の生地駅から徒歩約15分

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