日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第48号
油圧ショベルUH03
このショベルは、1965(昭和40)年日立製作所(現日立建機)において製造された純国産の油圧ショベルUH03である。それまでの油圧ショベルは欧州との技術提携で導入された1ポンプ1バルブ方式が主流であった。これに対し、同社では2ポンプ2バルブという日本独自の方式を開発した。これにより、ブームの持ち上げと旋回の複合動作が可能となり、作業性を飛躍的に向上させた。さらにこの方式は、後に多くのメーカが採用することとなった。
仕様は、全高2.4メートル、全幅2.49メートル、総重量9トン、標準バケット容量0.35立方メートル、エンジンの出力は58馬力である。
UH03は、1965(昭和40)年から1968(昭和43)年まで製造され、東名高速道路の建設など、同時期の日本の高度経済成長期における土木・建築の作業で活躍した。現在、日本で開発した油圧ショベルは、世界シェアの約7割を占めるまでに成長している。2011(平成23)年3月に発生した東日本大震災の復興においても、油圧ショベルは重要な役割を果たしている。
本機は、わが国の油圧ショベルの原点に位置する重要な遺産である。
《写真提供:日立建機株式会社》
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