日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第47号
豊田式汽力織機
この織機は、豊田佐吉が1897(明治30)年に発明し、翌年に特許を取得した綿布用小幅動力織機である。動力源としては蒸気機関の他に電動機などが使用された。軸や歯車など主要な可動部品の材料は鉄、フレームは木で作られた木鉄混製の安価で堅牢な織機である。よこ糸切断自動停止装置、たて糸送り出し装置、巻き取り装置などの自動化装置を装備して、織物の品質向上と従来の手織り機(高機(たかばた))の20倍の生産性を実現した。さらに外国製動力織機の1/20という価格であったため、全国に広く普及して日本の綿織物業を大きく発展させることになった。国産技術の優秀さを示す遺産であるとともに、日本の繊維機械技術の発展に貢献した機械である。
当機は国産動力織機で現存最古のものであり、1899(明治32)年に製造され、愛知県の織布工場で昭和40年代まで使用されていた。現在は産業技術記念館に保存され、動態展示中である。
《写真提供:トヨタ産業技術記念館》
公開
トヨタ産業技術記念館
- 開館時間:
- 9:30~17:00
(入場受付は16:30まで) - 利用料:
- 大人500円 中高生300円 小学生200円 65歳以上無料
- 利用できない日:
- 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
- 住 所:
- 〒451-0051
名古屋市西区則武新町4-1-35 - 電話番号:
- 052-551-6115
- HPアドレス:
- http://www.tcmit.org/
- 交通機関:
- 名鉄名古屋本線「栄生駅」下車、徒歩3分