日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第42号
高砂荏原式ターボ冷凍機
ターボ冷凍機(遠心式冷凍機)は圧縮機、クーラー(冷却器)、コンデンサー(凝縮器)で構成される。1930(昭和5)年、わが国初の試作機が完成し、高砂荏原式ターボ冷凍機と命名された。
大型冷凍機の歴史を切り拓いた高砂荏原式ターボ冷凍機の1・2号機(180冷凍トン)は、1931(昭和6)年に大阪市の朝日ビル(14,917平方メートル)に設置された。同ビルは国産ターボ冷凍機の設置だけでなく、全館空調、温湿度制御、遠隔制御など、当時の最新技術を結集した画期的な施設であった。
高砂荏原式ターボ冷凍機の完成は、人絹工業の発展期とほぼ同じくし、百貨店や劇場などの大型建築物の新築が盛んになった時期とも重なったため、これらの建物に数多く導入され、わが国の空気調和の発展に寄与した。
現存する最古の高砂荏原式ターボ冷凍機は1937(昭和12)年に六桜社日野工場(現コニカミノルタホールディングス)に納入されたもの(130冷凍トン)であり、長期間にわたり使用された後、1974(昭和49)年に撤去され、現在、高砂熱学工業の高砂熱学イノベーションセンターに展示保管されている。
《写真提供:株式会社荏原製作所・荏原冷熱システム株式会社》
公開(事前予約)
高砂熱学イノベーションセンター
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