日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第43号
自動改札機
自動改札機の歴史は、立石電機(現オムロン)が1964(昭和39)年に近畿日本鉄道と共同開発に着手したことに始まる。
実用化された自動改札機は、千里ニュータウンの通勤対策と、1970(昭和45)年に開催された大阪万国博覧会の大量鉄道輸送対策として、1967(昭和42)年に京阪神急行電鉄(現阪急電鉄)千里線の終着駅「北千里」に乗車券販売機、定期券穿孔機、紙幣両替機と共に試行設置された。これが世界初の自動改札システムである。
自動改札機PG-D120型は、1967(昭和42)年に始まる試行を経て、1973(昭和48)年にオムロンが独自開発した完全磁気乗車券・定期券対応機の、第3世代の試作機である。現存する最古の自動改札機であり、機構部分のみが保存されている。
3S2PG型は、1980(昭和55)年ごろに南海電鉄が導入し、1989(平成元)年に水間鉄道が譲り受け、ターミナル駅の「貝塚」と「水間」で使用されていたもので、2009(平成21)年に更新のため撤去され、オムロンに返還された。同機は、完動する現存最古の自動改札機である。
世界初の自動改札システムは、電気・電子技術と機械機構をたくみに融合させた、わが国の機械技術の粋である。駅改札業務の迅速化・省力化と利用者の利便性を飛躍的に向上させ、国民の生活・文化に多大の貢献を果たし続けている。
《写真提供:オムロン株式会社》
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