日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第21号
万能製図機械MUTOH
『ドラフターMH-Ⅰ』
日本初の設計製図機械「ドラフターMH-1」は、武藤工業株式会社※の前身である「株式会社武藤目盛彫刻」の創業者、武藤与四郎の手により1953(昭和28)年に誕生した。
(※現在 会社名はMUTOHホールディングス株式会社)
機構は、当時、製図機器の主流であった「梯子形平行アーム式」ではなく、武藤与四郎が独自に考案した「ベルト・プーリ式」である。「ベルト・プーリ式」は、平行度調整を意識する事なく、平行度を高精度に保つ事が可能となり、物作りの基本である製図という作業がより迅速に、且つ正確な作業へと躍進して行ったのは言うまでもなかった。
また、「ドラフターMH-1」は現行のアーム式ドラフター「SAU-85」の原型である。現行のアーム式ドラフターとの相違点は、①ドラフタースケールが現行の樹脂製ではなく、金属製である。②製図板取り付け金具が固定式の為、バランス調整機能やスケール密着調整機能が無かった。③バランス調整機能と一対で調整するディスク・ブレーキ・モール(中間調整ネジ)が無かった。④本体インデックレバー部分の機構が現行品より単純であった。⑤角度目盛り板が彫刻加工であった。などが上げられるが、当時の技術では最高水準の製品を提供していたのである。
《写真提供:株式会社ムトーエンジニアリング》
公開(事前予約)
MUTOHショールーム
- 開館時間:
- 9:00~17:00
- 利用料:
- 無料
- 利用できない日:
- 土日祝祭日・年末年始
- 住 所:
- 〒154-8560
東京都世田谷区池尻3-1-3 - 電話番号:
- 03-6758-7123
- HPアドレス:
- https://www.mutoh-hd.co.jp/topics/info_showroom.html
- 交通機関:
- 東急田園都市線池尻大橋駅下車徒歩3分(西口)。