日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第22号
万年自鳴鐘
万年時計(正式名称:万年自鳴鐘)は、1851(嘉永4)年に東芝の創業者「からくり儀右衛門」こと田中久重が設計・製作した機械式和時計である(和時計とは、不定時法により時刻を表す時計)。不定時法では、夜明けと日暮れを基準に昼夜を各6等分して「一刻」とするため、季節によって「一刻」の時間の長さが変化する。万年時計は、一年に一度ゼンマイを巻くだけで、時刻を表示する駒を季節に対応して自動的に動かす画期的な和時計である。
天頂部に天球儀があり、その下に割り駒式和時計、二十四節気記入盤、七曜と時打ち数の表示盤、十干十二支による日付表示盤、月齢表示盤、洋時計の6面の時の表示部がある。田中久重は、幕末に西洋から伝わる新しい知識や技術を利用し、江戸時代の人々が必要とする「時」と「暦」に関するあらゆる情報を、ゼンマイ仕掛けで一年間、自動的に表示しようとしたのであった。全体が連動して動く機構の独創性やアイデアだけでなく、漆工や螺鈿、彫金などの美しい装飾を合わせ持つ万年時計は、まさに「匠の技」の結晶といえるものである。
《写真提供:株式会社東芝》
公 開
国立科学博物館
- 開館時間:
- 9:00~17:00(入館は16:30まで)
金曜日のみ9:00~20:00
※特別展等の場合は延長することがあります。 - 利用料:
- 一般・大学生620円、高校生以下無料
- 利用できない日:
- 毎週月曜日(日・月曜日が祝日の場合は火曜日)、年末年始(12月28日~1月1日)
- 住 所:
- 〒110-8718
東京都台東区上野公園7-20 - 電話番号:
- 03-5777-8600(ハローダイヤル)
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- 交通機関:
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京成線「京成上野」駅から徒歩10分。