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情報・知能・精密機器部門ポリシーステートメント

1. 部門活動の概要

当部門は,2016年に策定したポリシーステートメントにおいて,機械工学の4力学をはじめとする学術を「縦糸」とし,自部門を,それらを貫き応用する「横糸」であると位置付け,実学研究の場として産業界との結びつきを堅強に維持してきた.また,先端技術の共通基盤として「マイクロナノ理工学」や「トライボロジ」や「メカトロニクス」などの基礎的学理を議論する場としての役割も担ってきた.今後もこれらの方針や役割を踏襲していくとともに,一層部門の存在感を高めるため,本学会内外の団体との積極的なコラボレーションを図り,高い専門性や独自性を有する研究および技術開発を醸成する場の形成に注力する.特にAI,IoTなど当部門の専門に関連するキーワードに注目し,諸団体と連携を図り,研究会・講演会・講習会などを有機的に連動させることにより,新しい分野を牽引する学術交流および産学交流の促進に努める.

国際会議MIPE(*1)は当部門が主催して1997年に初めて開催し,その後は米国機械学会(ASME)ISPS部門(*2)との合同国際会議として,約3年に1度のペースで開催してきた.今後も国際的な学術交流の場として国際会議を開催していく.

*1) Joint International Conference on Micromechatronics for Information and Precision Equipment
*2) Information Storage and Processing Systems

2. 重点活動項目の設定とその目標

1. 部門間交流
当部門の講演会は,2021年3月から生産システム部門とコロケーション開催を行っている.この連携を継続しながら,特別講演やワークショップの合同開催など,両部門の技術交流を一層促進していく.また,他部門とも同様な連携を検討する.特に,学会横断テーマ「機械・インフラの保守・保全と信頼性強化」との連携OSを2021年3月の部門講演会から開設しており,今後は日本非破壊検査協会との連携を推進するなど,この取組みを発展させていく.さらに,マイクロナノ工学部門との合同ワークショップや連携OS,ロボメカ部門講演会での連携OSなど,部門間交流の拡大を推し進める.これらの連携によって,部門講演会でカバーする分野が拡大し,発表件数や参加者の増加が期待できる.
国際会議MIPEにおいては,生産システム,機素潤滑,マイクロナノ工学,医工学テクノロジーの4部門,および日本トライボロジ学会と共催して市民フォーラムなどの企画を実現しており,今後はこれを継続するとともに,国際的な活動においても他学会・団体との連携を模索する.

2. 産業界への貢献
当部門は分科会活動を一つの基盤として,産学連携を推し進めている.一方で,2016年度から開催している人工知能(AI)講習会は,より実践的な内容を学びたいという産業界の要請に従って何度も内容を見直し,企業からの参加者が60-70%にも上るほど産業界のエンジニアに注目されるようになってきた.今後は産業界への貢献の一つの柱としてAI講習会を継続するとともに,AIに関する研究会・分科会の設立によって産業界との技術交流の活発化を検討する.
また,非破壊検査協会や,EPFC(*3),EHC(*4)等の産業界団体との連携が部分的に始まっており,その繋がりを活用し「機械・インフラの保守・保全と信頼性強化」に関して,講習会,研究会・分科会を開催することで,産業界との技術的交流についても前向きに検討する.
研究会や分科会の成果は,書籍や講習会の形で産業界に還元していく.

*3) エッジプラットフォームコンソーシアム
*4) エネルギーハーベスティングコンソーシアム

3. 国際連携活動
国際会議MIPE(*1)は米国機械学会(ASME)ISPS部門(*2)との共催で約3年に1度のペースで日本と米国で交互に開催してきた.日本開催となるMIPE 2022の参加者数は約300名(海外比率20%強),MIPE2015は約230名であり,当部門の国際的な交流において柱となっている.特にMIPE2022はハイブリッドの効果もあり,参加者の増加に繋がった.これからも国際的に研究成果を発表し,研究連携を深める場として国際会議を開催していく.
国際会議開催時には,MST(*5),JAMDSM(*6),Tribology Onlineの有力英文3誌にて本会議の特集号を編纂し,講演内容の海外発信に努める.当学会の英語学術誌でインパクトファクターを有するJAMDSMは,有力な海外情報発信手段の一つとして,今後も部門として積極的に投稿を促す.

*5) Microsystem Technologies
*6) Journal of Advanced Mechanical Design, Systems and Manufacturing

4. 若手人材の育成と活用
当部門は2007年度から「情報・知能・精密機器部門学生サマースクール」を継続的に開催している.一時期はコロナ禍により中断を余儀なくされていたが,2022年度はオンラインで再開した.このサマースクールは,今後産学両界へと進む学生たちに学会活動の有用性を感じてもらうことを狙いとした啓蒙活動である.今後もオンサイト並びにハイブリッド開催も視野に入れ,活動内容の充実を図りながら継続して開催する.
2023年度から,部門運営委員に若手の登用人数を増加させた.各委員会の三役のみならず委員として部門運営に関与してもらうことで,運営内容や方法に新風を注ぐとともに,部門の活性化を図る.他部門との合同ワークショップや講習会の企画にも若手の意見を積極的に取り入れ協力を得ることで,部門間連携や国際連携の促進につなげる.

5. 部門講演会の活性化
部門の成り立ちから異分野融合,学際的な研究を振興していることから,部門講演会の発表形式について検討を重ね,これまでの2ページ以上の講演論文の形式から,1ページのみの概要的な講演論文の形式を新たに追加し,work-in-progress的な発表を歓迎し,部門講演会での研究の議論,連携の議論を活性化させた.結果として,導入前(IIP2021/46件)に対して導入後(IIP2022/92件)は2倍に発表件数が増加した.また,IIP2023以降は対面形式とオンライン形式を両方取り入れたハイブリット形式とすることで,安定的な講演者数および参加者数の確保につながっている.今後も従来の枠にとらわれず柔軟かつ迅速に発表形態の在り方などを検討する.

Last Modified at 2024/9/19