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2018年度部門表彰者の声:ベストプレゼンテーション表彰

早稲田大学大学院
大矢貴史

 この度は、IIP2018「情報・知能・精密機器部門講演会」にて発表をさせていただきました「薄膜電極を用いた心筋細胞電位測定のためのノイズ低減法の検討」に対し、ベストプレゼンテーション表彰を賜り、大変光栄に存じます。この度の受賞は、指導教員の梅津信二郎先生をはじめ、ご指導いただいた先生方、スタッフの皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

 受賞しました研究は、厚さ500 nm の薄膜電極を利用し、心筋細胞の拍動に追従しながら、非常に微小な電気的なシグナルの検出が可能な、フレキシブルセンサ、測定システムの開発に関するものでございます。開発したセンサは、生体適合性を有するパリレンフィルム、金電極で構成されており、厚さが500 nm と非常に薄く、その薄さゆえに、高い柔軟性を有し、対象物の凹凸形状や曲面に追従し、密着するという優れた特性を有しています。心筋細胞のような、ダイナミックな動きをする組織の状態を高精度にモニタリングするためには、拍動に追従し、生体情報のモニタリングが可能なセンサが必要と考え、センサの開発を行ってまいりました。今後は、電気的なシグナル以外の生体情報を同時にモニタリング可能なシステムの開発を行うことで、より高精度なモニタリングを実現したいと考えております。

 現在私は博士課程において、引き続き研究に取り組んでおります。今後も、この受賞を励みとし、研究に真摯に取り組み、社会に還元可能な成果をあげるために精進させていただきます。また、今後もIIP部門の発展に少しでも貢献できるように精進してまいりますので、引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。


図(左)作製した薄膜電極を複雑形状に貼り付けた写真 (右)高柔軟性を有する薄膜電極

Last Modified at 2019/9/6