Home > ニュースレター バックナンバー > ニュースレター50号 > 2017年度部門表彰者の声:優秀講演奨励賞
2017年度部門表彰者の声:優秀講演奨励賞
東京電機大学
齋藤 幹
この度は、IIP2017「情報・知能・精密機器部門講演会」にて発表をいたしました「姿勢解析のための網型圧力センサアレイ」に対して優秀講演奨励賞を賜り、大変光栄に存じます。指導教員の五十嵐洋准教授をはじめ、学会において大変有益な議論およびご助言を頂きました皆様、そして多大なる支援を頂いた研究室諸氏に、心より御礼申し上げます。
受賞対象の研究は、ヒトの姿勢解析を想定した、新しい形の圧力分布測定装置の提案を行ったものです。不良な姿勢がもたらす健康被害を予防するために、日々の生活に取り入れることが可能なセンサアレイの開発を目的としております。
「網型圧力センサアレイ」は、ワイヤロープと力センサを用いて圧力分布を測定します。本センサアレイはマトリクス状の構造であるためにセンサ数の削減を可能とし、低コスト化を図っております。また、ワイヤロープを用いることでフレキシブルな測定面の実現に成功しました。しかしながら、ワイヤロープを交互に編み込んだ際の「網目」が測定時に多大な影響を及ぼします。そこで、一般的に画像処理に用いられるガウシアンフィルタを取り入れ、リアルタイムで補正を行うことで圧力分布測定の精度を向上させました。本センサアレイは、多岐に渡る可能性を保有していることを確信しております。
現在は、ワイヤロープにアクチュエータを接続することで、測定とフィードバックを一本のワイヤロープが同時に行う「面のフォースフィードバックシステム」の実現を目指しております。この度の受賞を励みとして、医療福祉のみならず、広い社会への貢献を目指して邁進いたします。
網型圧力センサアレイ | 測定された圧力分布の例 |