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2016年度部門表彰者の声:功績賞
東洋大学
松元明弘
この度は栄えある部門功績賞を賜り,まことにありがとうございます.ひとえに,部門の学術活動・運営活動に携わっておられる皆様のご支援・ご協力の賜物と,心から御礼申し上げます.
改めて,私とIIP部門の関りを調べてみましたのでご紹介したいと思います.
元々は,私はIIP部門と研究上の関わりはなく,主にロボメカ部門で活動してきたのですが,2003年9月に東京電機大学鳩山キャンパスで開催した第6回日仏メカトロニクス会議の実行委員の一員となり,そこで佐藤太一先生と巡り合ったのがきっかけです.その準備過程でご一緒するうちに,佐藤先生からIIP部門を手伝ってくれないかと誘われ,2004年に野村学術委員長(三重大学)の元で佐藤先生と共に副委員長を担当したのが最初です.ただ,翌年2005年にスタートする新学科の設立で東奔西走していていましたし,そもそも学会運営についての理解が浅く,ほとんど貢献できないまま終わりました.
その後,2006年に野村編集委員長の元で編集副委員長を担当し,当時準備中であった5部門欧文誌の設立に関わりました.その後,2007年編集委員長,2008年事業委員長,2009年広報委員長,2010年学術委員長(震災で中止したIIP2011の年度),2011年編集副委員長を担当させていただき,悪戦苦闘しながら少しずつ部門の中身を理解してきました.実はこの頃は本務の勤務先が工学部から理工学部の改組する時期で,工学部の最後の教務委員長,理工学部の最初の学部長補佐を務めた時期と重なり,大変多忙な時期でありました.おそらくいろいろな方にご迷惑をおかけし,たくさんフォローしていただいたことと思います.
2012年と2013年は部門運営からいったん離れたのですが,2011年と2012年に日本ロボット学会理事(国際担当)を務めながら,部門講演会IIP2013,IIP2014の会場校を務め,一方,学内では附置研究所の所長や学科長などの重い役目と時期が重なり,相変わらず多忙な時期でした.そうこうしているうちに,2014年度は副部門長,2015年度は部門長というご指名を受け,部門長時代にはMIPE2015(神戸)の開催によりISPSの方々ともお会いする機会を得て,貴重な経験をさせていただきました.またIIP2016,IIP2017の会場校も引き続き担当しました.IIP2018は理工学部のある川越キャンパスに場所を変えて引き続き会場校を担当します.
このように,IIP部門においては,私は学術面よりも部門運営と部門講演会会場校という観点からお手伝いをしてきたということになります.かなりたくさんのお役目を担当してきましたが,正直申し上げてどれも十分やり切ったというよりは,模索しながらやり遂げたというのが実感です.それでも,部門の学術活動を多方面から多少なりとも支えてきたと自負しております.特に,会場校担当をすることで,部門の財政の改善(経費削減)にも寄与しています.
IIP部門は機械学会の他部門と比べて,非常にユニークな存在であると改めて感じます.私自身は,このIIP部門内では知能化分野に属していますが,いい意味での「アウェイ感」を残しながら部門に携わってきました.IIP部門は情報機器や精密機器のトライボロジーやマイクロメカトロニクスが中心であると理解しています.IIPの最初の ”I” すなわち「情報機器」と 最後の ”P” すなわち「精密機器」が主流で,それが真ん中の ”I” すなわち「知能化機器」をはさんでいるところが絶妙です.定義のあいまいな知能化分野,範囲の広い医療福祉工学分野,最近ではIoT分野など,さまざまな「異文化」に対して積極的に取り組み,温かくその分野の研究者を取り込んできていると思います.これを発散しすぎない程度にインテグレーションとイノベーションをし,機械学会における独特の立ち位置を目指すことが肝要であると思います.そのためにはアカデミアはニーズをもっと学ぶ必要があるでしょうし,産学連携ももっと進める必要があるでしょう.この学会講演会に参加すると何か新たな知見が得られる,そういう知的な「場」が本来の学会でしょう.それを作り出すために,引き続き,皆様と共に歩んでいきたいと思う所存です.今後とも引き続きご指導ご鞭撻のほど,よろしくお願い申し上げます.