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2015年度部門表彰者の声：若手優秀講演フェロー賞

名古屋工業大学
福田 智弘

　この度は2015 JSME-IIP/ASME-ISPS Joint Conference on Micromechatronics for Information and Precision Equipment (MIPE 2015)にて発表しました “Study on a tactile sensor that detects both of contact position and force using acoustic reflection” に対して，日本機械学会若手優秀講演フェロー賞を頂き，大変光栄に存じます．日頃から熱心なご指導を頂きました，名古屋工業大学 佐野明人 教授ならびに田中由浩 准教授，さらに臨床医の立場から的確なご指導・ご助言を頂きました，名古屋大学 藤原道隆 病院准教授に心から感謝致します．

　賞を頂いた研究は，腹腔鏡下手術における早期胃癌検出を目的とした触診システムで用いるための，触覚センサに関するものです．本センサは原理として音響を用いることで，高い生体安全性，シンプルな構造，および滅菌や使い捨てへの対応等，臨床応用に適した特長を有しています．本研究では，これまで接触力のみに応答していたセンサを，円周方向の接触位置にも応答できるよう改良しました．位相差の計測を追加し，音の伝播経路であるセンサ内部の空洞を適切に曲げることで，センサの外形や構成をほとんど変えないまま，2つの量に応答させることに成功しました．接触位置は接触力の空間的分布を代表する量であるため，接触位置と接触力が同時に計測できるようになれば，ヒト指のように接触力の時間的・空間的分布の両者を活用した触診が可能となり，より効果的な胃癌検出が期待できます．今後とも本受賞を励みとして，社会に貢献できるようより一層研究活動に邁進する所存です．