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2014年度部門表彰者の声:若手優秀講演フェロー賞

日東工業株式会社
若林 諒

 「この度、IIP2014情報・知能・精密機器部門講演会にて発表させていただきました「境界面温度を考慮した浮動ヘッドの分子気体潤滑解析(周囲気体と温度を考慮した静特性)」に対して、日本機械学会若手優秀講演フェロー賞を頂き大変光栄に思っております。今回の研究内容と発表に関して評価して頂き受賞できたのも、ひとえに指導教員である福井茂寿教授をはじめ、松岡広成准教授、土井俊行講師に、的確なご指導と助言を頂けたからこそだと感じております。この場をお借りして深く感謝の言葉を申し上げます。

  今回、受賞いたしましたのは、ハードディスク装置を想定した浮動ヘッドの浮上静特性に及ぼす周囲気体と温度の影響に関する研究です。近年、ハードディスク装置では、超微小すきまの気体潤滑作用によりナノメータオーダーの浮上が達成されていますが、更なる高記録密度化のため、熱アシスト磁気記録(HAMR)の検討やスライダ加熱方式(TFC)の実用化が行われています。また一方で、周囲気体としてヘリウムを充填した装置の研究・開発され、境界面温度に加え、周囲気体の影響を考慮した浮上特性解析が望まれています。本研究では、

  境界面温度分布を考慮した分子気体潤滑(t-MGL)方程式を用いた数値解析により、境界面に温度分布が存在する場合の静的圧力発生の基本特性および静的浮上特性を調べました。さらに、作動流体をヘリウムとした場合の解析を行い、作動流体を空気とした場合の浮上特性との比較をすることで境界面温度および作動流体が浮上姿勢に及ぼす影響について示しました。

 現在は、電子機器メーカに就職し、設計・開発業務に携わっております。学生時代に取り組んだ研究とは分野は違いますが、研究を通じて得た物事への取組み方や考え方といった経験を活かし、社会へ貢献できるよう日々励みたいと考えております。

Last Modified at 2016/2/18