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2014年度部門表彰者の声:ベストプレゼンテーション賞

株式会社日立製作所
荒金 伸明

この度、IIP2014の情報・知能・精密機器部門の講演に於いて発表しました。
「IHクッキングヒータの鍋温度センシング」に対し、ベストプレゼンテーション賞を頂き、大変光栄に思います。

  受賞となりました研究は、耐熱ガラスを介して鍋底温度を検出する温度センシング技術に関するものです。本技術は、調理家電であるIHクッキングヒータへの採用を目指し、研究・開発に取り組みました。鍋底温度の検出には、サーモパイル式赤外線センサを用いています。しかしながら、温度検出の対象である鍋は、底面の材質・色・粗さなどの違いにより赤外線放射率が異なり、放射率の補正が第1の課題でした。本研究はこの放射率の補正に関し、反射センサを用いて鍋底の反射率から放射率を補正する温度検出技術を開発しました。また、耐熱ガラスの温度が赤外線センサに与える熱外乱が第2の課題でした。この課題に対し、サーミスタによる耐熱ガラス温度を測定して熱外乱を補正する換算方式を開発し、

  鍋底温度のみの検出を可能としました。上記の赤外線センサ・反射センサ・サーミスタの3種類のセンサを組合せた温度センシングを構築することで、鍋底温度の検出を実現しました。

 今回開発した温度検出技術をさらに発展させ、ユーザに喜ばれる製品開発に貢献できるよう邁進していく所存であります。最後になりましたが、研究・開発に当たり、多くのご支援を賜りました日立アプライアンス株式会社の皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます。

Last Modified at 2016/2/18