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優秀講演論文賞を受賞して
株式会社リコー 研究開発本部
基盤技術開発センター
松本 章吾
この度は、2011年度年次大会において発表いたしました「カット紙搬送系における紙しわ発生過程のモデル化」に対し、優秀講演論文賞をいただき、大変光栄 に思います。
共同研究者である(株)リコーの原田祥宏さんをはじめ、研究推進にご理解・ご協力をいただいた皆様、ならびに本賞へのご推薦を頂きました皆様に深く感謝いたします。
今回の受賞対象となった研究は、プリンタの定着部などで発生する事のある「紙しわ」に関するものです。
プリンタおよび複写機の開発では、解析技術の導入などで開発の効率化が進められていますが、搬送時の用紙の挙動は影響因子の多さなどから解析的な取り扱いが難しいものとなっています。
本研究は、取り扱いの難しい現象の一つである用紙のしわについて、発生過程の観察に基づいた幾何学モデルを構築してしわ発生の代用特性を導出し、さらに紙しわの発生過程を定量的に評価するための可視化装置を開発して上記代用特性の妥当性を検証したものです。
本研究により、従来は困難であった用紙しわ現象の解析的な評価が可能であることを示しました。
企業の中では“泥臭い”作業が多く、“技術”になりにくかった分野ですが、今回このように栄誉ある賞をいただけたことは大変感慨深いものがあります。
これからは今回開発した技術を中心にさらに発展させ、より効率的な製品開発を実現する為の技術に育て、技術者の能力を創造的な活動に集中できる環境を創造することで、活力に溢れた社会造りに貢献できる研究開発を行えるように研鑽を積んでゆきたいと考えております。
今後とも変わらぬご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。