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若手優秀講演フェロー賞を受賞して

東京工業大学
機械制御システム専攻
機械運動システム学研究室
馬野 寛士

 この度,2008年度機械学会年次大会にて発表させていただきました「ゴムローラによる紙の繰り出しに関する研究」に対して,日本機械学会フェロー賞を頂くことができ,大変光栄に思っております.

 受賞の対象となりました研究は,複写機などで用いられている,ゴムローラと平板からなる紙の繰り出し機構の搬送特性を理論的に予測可能な解析手法の開発を目的としたものです.

 本研究で収めた成果の中で,最も意義深いと自分の中で捉えているのは,ゴムローラの摩擦係数の荷重依存性を適用した新たな解析モデルを構築したことです.これまで提案されてきた解析手法を用いた場合には特定の条件において実験結果との整合性が取れないことを発見し,広い範囲で実験結果を表現できる,解析モデルを開発することを新たな課題として設定しました.これを実現するために,様々な仮説を立て,検証を行うことでゴムの摩擦現象が影響を与えていることを突き止め,新たな解析モデルを構築することができました.

 この研究を通じて,私は原理・原則に立ち返って自分の頭で考え,主体的に研究を進めることができたと自負しております.この経験は今後の研究や社会人となってからも生かしていくことができると考えております.

 

 最後になりましたが,本研究を進めるにあたり,ご指導頂きました東京工業大学山浦弘教授,その他関係者の皆様に深く感謝いたします.

Last Modified at 2009/11/5