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若手優秀講演フェロー賞を受賞して
東洋大学大学院
小山 祐典
IIP2008情報・知能・精密機器部門講演会にて「キッキングロボット実現のための人間のキック動作解析」というタイトルで発表させて頂きました.この度はフェロー賞という大変名誉ある賞に選んで頂き誠に有難う御座います.お知らせを受けたときには,目を疑ってしまいました.まさか私が選ばれるとは思ってもみなかったので、本当に嬉しい限りです。このような賞を頂けたのは,言うまでもなく御指導頂いた松元教授とこの研究の礎を築いた先輩方のおかげです.心よりに感謝しておりますことをこの場をお借りして御礼申し上げます.
本研究はプロサッカー選手のフリーキックを超えるシュートを蹴ることのできるキッキングロボットの開発を目標にしています.実機は既に人間のキック動作を基に完成しており,その制御方法を検討するために助走ありと助走なしの人間のキック動作を高速度カメラで撮影を行いました.また,それと同時に筋電位センサを用いてインパクト時における筋肉の活動状況を調べました.結果,インパクト時における腰の並進速度はあまり大きくなく,脚の大腿部と下腿部の加速度の違いが見られました.このことから立ち足で体を停止させて「ため」を作ることで,助走で得た運動量によって脚の振りを加速させているのだと考えました.また,インパクト時に著しく活動するはずの大腿直筋にあまり反応が見られなかったことから,全体としては,人間は助走によって効率よくキック動作を行っていることが確認できました.
現在は,大学院博士前期課程を修了し,機械関連の会社に就職しております.この名誉あるフェロー賞を受賞できたことを誇りに思い社会でも活躍できるよう精進して行きます.最後にお世話になりました松元教授と研究室の先輩方や仲間たち,並びにこのような機会を設けて頂いたIIP部門の皆様方に心より御礼を申し上げます.