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フェロー賞を受賞して
シャープ株式会社 矢野 久晃
この度は,IIP2007部門講演会で発表させて頂いた「光アシスト磁気記録におけるヘッドディスクインタフェースに関する研究」に対してIIP部門学会フェロー賞を頂くことができ, 喜びと感謝の気持ちでいっぱいです.本研究において多大なご協力を頂きました関係者の皆様には,この場をお借りし深くお礼申し上げます.
受賞した修士2年間の研究を簡単に紹介させて頂きます.本研究は,次世代磁気記録技術として期待されている「光アシスト磁気記録技術」に着目し,この記録技術に最適なヘッドディスクインタフェース(HDI)の設計指針を見出すことを目的としています.光アシスト磁気記録の大きな特徴は,記録時に媒体をレーザ光によって局所加熱することにあり,この様な過酷な条件が磁気ヘッドの超低浮上技術を実現してきた従来のHDIにどのような影響を与えるのか,明確化することをテーマに本研究に取り組みました.そして,本研究の特徴及び成果として,媒体をレーザ光によって局所加熱するためのHDI評価装置を光ディスク用光ピックアップによって構築し,局所加熱された媒体上の潤滑膜の挙動を実験的に明らかにすることが出来ました.
光アシスト磁気記録のHDIに関する研究はまだまだ発表例が少なく,新規性の高い研究発表が出来たと自負しております.ただ,私が発表させて頂いた内容も光アシスト磁気記録の分野では出発点に過ぎないと考えています.今後ますます研究発表が活発になり発展することを期待しております。
最後になりましたが,学会関係者各位,これまで御指導頂いた先生方,共同研究させて頂いた企業の方々,研究室の仲間に深く感謝申し上げます.本当にありがとうございました.