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マイクロメカトロニクスと情報機器に関するASME/JSME共同国際会議
(MIPE06 in Santa Clara)開催記
2006 ASME/JSME Joint Conference on Micromechatronics for Information and Precision Equipment
MIPE06日本側実行委員会 広大・三枝、名大・大岡、日立・徐
2006年6月21日から23日の3日間、米国カルフォルニア州サンフランシスコの南に位置したサンタクララ大学にて、題記の国際会議を開催しました。その様子を報告します。
この会議は機械学会100周年記念行事の一つとして1997年に東京でMIPE07として開催され、前回のMIPE03から米国機械学会のISPS部門と共催しています。その第2回目のジョイント国際会議になりました。MIPE03は日本側(JSME/IIP)担当で横浜にて、今回はアメリカ側(ASME/ISPS)の担当で、University of WashingtonのI.Y.Shen教授が米国議長として、私たちは日本側議長として、会議の企画・運営に当たりました。
会場のサンタクララ大学は、ミッション系の学校で、よく手入れされた芝生と教会の厳かさが融合したところで、この漂いとシリコンバレーの喧騒なビジネスとのギャップで少し違和感さえだれしも持つことでしょう。カルフォルニアの青さと多くの新企業が発祥したシリコンバレーの地とがミックスした当にベンチャーマインドの溢れる会議だったと思います。今回は、161件の発表と210人の登録者で開催され、図1の様な各国の構成となっております。
準備段階では米国流の個人ビジネス風の運び方と日本風の組織的な活動形態が早くも激しい議論の対象となり、なかなかその溝は埋まりませんでした。さらにメイルでのやり取りは誤解を生むし、意を尽くすことも不可能で、やがて国際電話会議をやろうということになりました。メイルで概略を詳細とその後の進捗は電話会議でというのを毎月1回、合計6回?も重ね、準備をして来ました。一番の課題はISPSの守備しているカテゴリーとIIPが守備しているカテゴリーに違いがあり、今後の展開を考え、両者歩み寄りのセッションを設けました。それが「機械の知能化」セッションです。米国側からみますと初めての試みであったので抵抗が大きかったと思います。でも開催してみますと、アメリカ側の方々の参加もあり、結構な議論ができましので、今後の展開の楽しみなところかとも思っています。
私は文化の差をここでも多く学びました。同じ目的の短期のプロジェクトとにも関わらず、その方法論は多様である。しかし、基本的にはアメリカ側が主催なので、彼らの主張に沿ってまとめて行きました。会議そのものは流石に米国流で、極めて簡素化されていて、ビジネス風に淡々と進められました。
会場で無線LANが使え、多くの企業の方々?はこれも会議そっちのけでメイルを打っているとか、朝食とか10時と午後3時のティータイムには多くの方々が会議そっちのけで議論をしていたとか、非常に気軽な雰囲気で議論も活発だったのが良かったと思います。ホテルからのバス便も便利でした。また,アメリカだから可能なのかも知れませんが、会場を大学にしてあまり金をかけずにやることにも好感がもてました。
多くの方々の協力を持ちまして、成功裏に終わったことをお伝えしたいと思います。ありがとうございました。
さて、これからどうするかというメッセージも必要かと思います。 当部門は産官学連携を一つの特徴としており、図2に示しますように、多くの方々が共同発表をして頂きました。この流れを十分に作りこんでいくことはとても大切と考えています。また、情報精密機器の分野では,日本はアメリカより大きな領域をカバーしております。このために若干の行き違いも生じておりました。今後の展開を考えますと「機器」の観点は同じでも情報機械の知能化などから範囲を広げていくことも大切ではないかと感じた次第です。
最後の日は、以上の様な議論も含めて、アメリカと日本の実行委員会メンバーが一堂に会して、夕食会を開催し、次回MIPE09 in Japanへの約束と決意を取り交わしました。
Fig. 1 発表者の国別分析
Fig. 2 産官学連携の様子
Fig. 3 ISPS/IIP部門合同の交流会(前列左5番目Shen氏、三枝)