編集委員会
第79期編集委員会活動報告
委員長: |
辻本 良信(大阪大) |
幹事: |
太田 有(早稲田大) |
1.Int. Journalおよび論文集に関する部門からの提言.特にInt.
Journalのアジア戦略の検討:
編集委員会内でメール会議を開催した結果,以下のような意見が得られた.これらの意見はJournal編集委員会に提言し,実施可能なものから順次,実施に向けた検討をお願いする.
* アジア戦略の重要性を鑑み,主要国に論文投稿の窓口になってくれる担当者を選任する.
* 編集委員長の任期が1年では短いので,流体工学部門でEditor-in-Chiefを選出し,5〜6年勤めるような方式にしてはどうか.
* 「特集」を組むことでJournalの存在をアピールする.ただし,一般投稿論文の掲載が遅れるというデメリットもある.「特集」を組んだ場合,部門でセレクトして質を下げないように注意すべきである.
* アジアをターゲットにして販路を拡大すべきである.そのためにはAdvisory Boardにアジアの研究者をもっと採用すべきである(B1編については米と仏の2名のみ).北米,欧州,アジアから相当数のAdvisory
Boardを選出し,知名度を上げる.
* 和文と英文誌を一冊にして,徐々に英文一本化してはどうか(企業からの反対は多い).
* アジアから投稿されている優秀な論文でも,掲載料の問題で返却される場合がある.優秀な論文は部門で掲載料を補助する.委員長・幹事会の決定により,本年度および来年度予算に4件×5万円(半額補助),総額20万円の予算が認められた.今期は予算執行の機を逸したので,来期分としては2年分の総額40万円の執行をお願いしたい.
2.著作権に関して,特に和文論文集から他のJournalに投稿する場合などの問題点の検討:
日本機械学会の投稿規定1.3項の但し書き「著者自身が,自分の記事・論文等の全文または一部を複製,翻訳,翻案などの形で利用する場合,本会ではこれに対し原則的に異議申し立てをしたり,妨げることはない」を受けて,ASMEに問い合わせを行った.
ASMEの回答では,機械学会論文集の和文論文を英訳して投稿することは問題ない.ただし,JSME Int. Journalに代表されるように,アルファベットをベースとした言語(英,仏,独など)で既に公表されている論文は受け付けられない.
3.部門独自の出版企画の検討および実施:
(1) 「風力タービン工学概論」:産業技術総合研究所 松宮 輝氏を中心に話が上がってきた同訳本を,部門企画として話を進める.2001年9月28日に機械学会の出版事業部会で,「直営出版」ではなく「委託出版」として承認された.
その後,出版社との交渉を行ったが,本の内容が専門的で3000部販売できる目処が付かない,単価が1万円を超えそうであるなどの理由により,出版はかなり難しい状況である.現在は,科学研究費の補助,部分翻訳,あるいは翻訳ではなく書き下ろしを含めて検討中である(事実上は活動停止状態).流体工学部門を介した出版として来期に引き継いで検討していただく.
(2) 「流れと遊ぶ −作ってためそう流体力学− (仮称)」:神奈川工科大学 石綿良三教授を中心として啓蒙書を部門企画として執筆頂く.
* 「流れと遊ぶ編集委員会」の設置(委員長幹事会承認済)
主査:石綿良三(神奈川工科大学),幹事:根本光正(神奈川工科大学),委員:辻 裕(大阪大学),辻本良信(大阪大学),速水
洋(九州大学),松本洋一郎(東京大学).
* 2002年2月上旬に出版事業部会より,「委託出版」として承認された.
* 出版社との折衝:2002年2月8日に,講談社のブルーバックス担当者と第1回の交渉.方針・内容がもっと一般の人に受け入れられるように軌道修正中で,再度3月中に交渉する予定(まだ正式な企画として受け入れられたわけではなく,講談社のブルーバックスがだめな場合は他を検討する予定).出版社が決定次第製作に入り,2003年3月の発行を目標とする.
* 機械学会の「機械工学振興事業資金」助成に,本書製作と関連工作教室の費用として50万円を申請した.
これらはいずれも最初の部門企画であるので,「実現」を最優先する.印税の取り分については状況に応じて個別に決定すべきであるが,「委託出版」の場合,通常10%の印税にうち,1%は学会に納めることが決まっている.
4.年鑑の検討:
背景:現在,機械工学年鑑は学会誌,論文集の8月号に掲載されている.「流体工学一般」と「流体機械」は次のように多少異なる扱いがされている.「流体工学一般」では従来の文献中心のものが論文集に,トピックスに関するやや解説的な記事が学会誌に掲載されている.執筆は支部の持ち回りで,学会誌のトピックスは各支部で適切な執筆者がおられるトピックスが選ばれている.「流体機械」はポンプ,水車・ポンプ水車,油圧機器,流体伝導装置,容積形圧縮機,ターボ圧縮機,送風機,真空ポンプの8機種のうち2〜3機種が交代で学会誌に,残りが論文集に掲載されている.内容はいずれも「各機種に関するトレンド,トピックスの紹介ならびに前年度生産された代表的機械の一覧表」となっている.
文献検索が容易になったことから,2002年度から文献を中心とした従来の論文集掲載分を取りやめることが決定している.このような状況下で,年鑑の方向性に関する検討を実施した.メール会議により以下に示すように決定した.これらを添付して,次年度の企画を名古屋大学の菊山教授にお願いした.
* とりあげるべき特に重要なトピックスがないか運営委員会委員に諮り,もし意見が出れば編集委員会で検討し,必要に応じて取り上げる.今年度は特に意見は得られなかった.
* 「流体工学一般」については従来通り各支部の持ち回りとし,前項以外のトピックスは担当支部に一任する.
* 「流体機械」についても,各機種の最近のトレンド,トピックスに関する執筆をメーカーに依頼する.従来の「前年度生産された代表的機械の一覧表」については特に依頼しない.
* 前項と関連し,このような変更をターボ機械協会に通知し,従来年鑑で行っていた継続的な統計量の調査を掲載する必要があれば,ターボ機械協会誌に掲載してもらうように検討をお願いした.
5.Journal特集号の企画:
* 2003年度以降の特集号企画を募集したが,特段提案は得られなかった.6月にパサデナで開催された「Cav2001」でJournalへの投稿を呼びかけた結果,約10件の投稿があり,これらをまとめて掲載する予定.
* 「Cav2003」が大阪で開催されるので,これについては特集号を企画する.
以上
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