ニューズレター

このページでは,設計工学・システム部門 Newsletter No.44の内容をお届けします (2016年7月発行)

発行:2016/7/21
ページ製作・編集 D&S広報委員会

Newsletter No.44

1. 第94期部門長就任のご挨拶

第94期部門長 細野繁(NEC)


この度,第94期部門長の大役を務めさせていただくことになりました.大久保雅史 副部門長,野中朋美 幹事をはじめ,運営委員会委員,アドバイザリーボード,部門に所属する皆様,事務局員の皆様とともに,さらなる部門及び学会の発展に向けて努力致します.何卒よろしくお願い申し上げます.
私は企業でITシステムの設計方法論やライフサイクル管理の研究開発に携わっています.このような情報系の活動と,日本機械学会で議論されている話題とは,およそ接点が無いように思われることが多く,私自身もかつてそう感じていました.ところが,Webサービスの開発方法の研究開発を日々,進めていくにつれ,あるとき,モノの組み立て方と,Webサービスの組み立て方は共通する概念が多いことに気づくこととなりました.従来,ITシステムやWebサービスの構築は,主にアプリケーションソフトウェアを実装することに重きが置かれていました.しかし,クラウドのようにアプリケーションソフトウェアやハードウェアがネットワークを通じて機能としてサービス提供されるようになると,これらの機能を効果的に組み合わせる方法が重要となります.この機能の組み合わせる手順は,ものづくりの世界で取り組まれてきたモノの設計方法と通じるものがあります.そこで,モノの設計方法をWebサービスの設計方法に転じ,適用し,Webサービス構築の生産性を大きく向上しようと試みているところです.クラウドの普及というきっかけから,業種・業界を超えて,モノづくりの発想・思考を転じることに,面白さと可能性を感じて活動を続けています.
以上のように,研究開発の過程で,本部門の活動から設計工学やシステム工学の考え方を学んできました.本部門は,業種・業界を超えて,交流の場を広く提供しています.設計工学・システム工学の議論は,産業界に広く有用です.そこで,産業界の視点で,大学・研究機関と多分野の業界との交流を益々拡げていくよう努めてまいります
本部門が対象とする分野及び領域は,設計工学・設計方法論・設計学,設計知識,製品開発・情報管理,設計組織,システム工学,ヒューマンインタフェース,人工物工学の展開,新しい人工物など,極めて広範囲にわたっております.Delight設計など,今後の設計工学・システム技術の進展への貢献はもちろん,これまでの部門活動の活性化の波に乗って,強力に部門活動を推進していきたいと考えております.本部門が魅力ある交流の場として部門活動への皆様の積極的なご支援・ご協力を賜りますよう,何卒よろしくお願い申し上げます.

2. D&S2015の開催と第93期部門賞・部門表彰

2015年9月23日(水)~25日(金)に信州大学長野(工学)キャンパスにおいて,第25回設計工学・システム部門講演会が開催され,非常に多くの参加者を集めました.本講演会の2日目には,部門賞・部門表彰が行われ,次の方々が表彰されました.

第93期部門賞・部門表彰

  • 部門功績賞 下村芳樹 (首都大学東京)
  • 部門業績賞 泉井一浩 (京都大学)
  • 部門業績賞 松木則夫 (香川大学)
  • フロンティア業績表彰 竹澤晃弘 (広島大学)
  • フロンティア業績表彰 山崎美稀 (株式会社日立製作所)
  • 部門貢献賞 野間口大 (大阪大学)
  • 優秀講演表彰 梶原ゆり (株式会社日立製作所)
  • 優秀講演表彰 齊京真里奈 (金沢大学)
  • 優秀講演表彰 野波諒太 (広島大学)
  • 優秀講演表彰 侯 磊(埼玉大学)
  • 優秀講演表彰 森川陽平(大阪大学)
  • D&Sコンテスト優秀表彰 東野大貴 (芝浦工業大学)
  • 感謝状 半田志郎(信州大学工学部 学部長)

3. 設計工学・システム部門講演会 D&S2016開催案内

日本機械学会 設計工学・システム部門は,第26回設計工学・システム部門講演会を,2016年10月8日(土)〜10日(月)に慶應義塾大学 日吉キャンパス(神奈川県横浜市港北区日吉4-1-1)にて開催いたします.

生産や経済だけでなく地球環境保全からグローバル化が急がれる現在,分野の垣根を越えて様々な関連事項を統合し,地球規模で環境負荷を最小にするシステムを最適化する必要があります. このような未来をつくり出し,システムを構築することができる技術分野を備えている設計工学・システム部門の活躍がますます期待されます. 機械工学のみならず広い学術分野にわたって議論が展開される部門講演会での活発な討論と,大学・研究機関のみならず企業の方が多く参加される情報交換により, 皆さまの研究・技術開発に役立てていただけることを期待しております.

是非,多くの皆様にご参加いただき,最新の研究成果の発表とそれに基づく活発な討論をしてくださいますようお待ち申し上げます.(詳細は,こちらをご覧ください.)

 Home