ニューズレター

このページでは,設計工学・システム部門 Newsletter No.40の内容をお届けします (2014年 5月発行) .

発行:2014/5/30
ページ製作・編集 D&S広報委員会

Newsletter No.41

1. 第92期部門長・副部門長就任のご挨拶

第92期部門長 (埼玉大学 綿貫 啓一)


この度,第92期部門長を務めさせて頂くことになりました.今期の運営につきましては,渡辺富夫副部門長,井上全人幹事をはじめ,運営委員会委員の皆様,部門長経験者の方々にご就任頂いているアドバイザリーボードの皆様と力を合わせて,本部門のさらなる発展と部門登録会員の皆様へのサービス向上に精一杯努力して参りますので,何卒よろしくお願い致します.

日本のものづくり産業は,環境やエネルギー問題への対応,製品やシステムの安全・安心・快適の確保などはもとより,為替レートの急激な変動,原料価格の高騰,東日本大震災,欧州債務危機などによる市況悪化など多くの厳しい事態に直面しておりますが,このような時だからこそ,知識,技術力,設計力を蓄えることが大事であると考えております.本部門には,「設計工学・設計方法論・設計学」,「設計知識」,「製品開発・情報管理」,「設計組織」,「システム工学」,「ヒューマンインタフェース」,「人工物工学の展開」,「新しい人工物」の技術分野があり,基盤的な分野から実社会で適用可能な応用的な分野が揃っているのが,本部門の強みであると考えております.ヒューマンインタフェースなどは,人間の認識,意識,感情を含む活動を取り扱う実践・実理の学であります.そのため,本部門では,自然科学が対象としてきたものが原理・原則に従って恒常不変の対象から,非原理的で一回的,生起変転する対象までを扱っており,最近の様々な困難な局面に適切に対応するとともに,新たなものづくり社会の設計,システムづくりを提案できると考えております.

研究面においては,部門講演会や部門主催の国際会議では同じ研究分野の研究者が一堂に集まり研究者同士が顔を会わせながら交流を深めることができ,年次大会では他の研究分野の研究者とも共同して,オーガナイズドセッション等を通じて機械工学全分野の研究者ら交流を行うようになってきています.そのような交流を通じて,個々の研究者や技術者がそれぞれの研究や技術を進展させて,それらの分野が当該の技術分野を進展させ,あるときは技術分野が互いに協力しあいながら分野横断的な新たな技術分野を構築するとともに,部門の枠を超えて産学官の英知を集めたプロジェクト活動の推進源として貢献を果たしたいと考えております.また,部門講演会などにおいて,開催地の地元の方々に,特別企画などを通じて地域への貢献や地域産業の技術課題の解決に寄与できればと考えております.

教育面においても,設計工学・システム部門の役割は大きくなってきております.産業界においては,ある技術分野における知識の深さや技術力だけではなく,新たな考えや技術を柔軟に取り入れるとともに,システム全体を俯瞰的に捉えることができる視点が必要であり,そのような人材の育成が求められており,講習会や研究会を通じてその役割を果たしたいと考えております. 社会において,イノベーションとは,筋のいい技術を育て,市場への出口を作り,社会を動かすことであり,これにより技術革新ができると期待されています.ヘンリー・チェスブロウにより,オープン・サービス・イノベーションという,生活者視点から,成長と競争力のあるビジネスを創造することが提唱されています.本部門では,筋のいい技術を造りだし,市場への出口を作る環境を備えており,技術力・設計力で社会を動かす基盤を持ち合わせており,社会の牽引力源として期待されています.その部門内外のアイデアや技術を結合してアーチテクチャやシステムをまとめ,その要件を満たす優れたモデルを構築するため,部門活動として,研究者や技術者同士にオープンな交流の場を提供し,有意義な時を過ごして知識や技術を高めるとともに,ある時は分野横断的に融合し,ものづくり分野の研究面や教育面の双方において,オープン・サービス・イノベーションにより社会への貢献を果たしたいと考えております.

学会誌,論文集,英文ジャーナル,講演会,講習会,研究会などを通じて部門登録会員の皆様の研究面や教育面での進展に貢献できればと考えております.産・学・官を問わず,志を同じくする皆様の積極的なご参加により,活発に議論しながら,本部門がますます発展するように頑張って参ります.本部門の諸活動に対して,皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます.

第92期副部門長 (岡山県立大学 渡辺 富夫)


この度,副部門長に選出され,身の引き締まる思いでおります.綿貫啓一部門長の下,運営委員会委員,事務局員の皆様とともに,さらなる部門の発展に向けて尽力致します.

思い起こせば,コミュニケーション研究の基盤として,まず母子間の原初的インタラクション・コミュニケーションに着目し,母親の語りかけに対して乳児の手足の動きの引き込みを音声・画像解析して,そのインタラクションのメカニズムを人と情報機械のインタフェース設計に活かそうと試みたのが1978年ですから,この身体的コミュニケーションの魅力に取り憑かれて早36年になります.この間,母子間インタラクションから成人間インタラクション,集団インタラクションの引き込みを合成的に解析して,うなずきや身振りなどの身体的リズムの引き込みをロボットやCGキャラクタのメディアに導入することで一体感が実感できる身体的コミュニケーション技術(身体的引き込み技術)と,メディア場にはたらきかけることで場を盛り上げる身体性メディア場の生成・制御技術を研究開発してきました.また学会活動では,ものづくりの本家である本部門でヒューマンインタフェースの重要性と可能性を追求する一方で,ヒューマンインタフェース学会の設立をお手伝いし,学会長を務め,現在は監事をしております.

この4月から大学理事に就任し,産学官連携を担当致しますので,本部門での活動におきましても,産学官連携交流を一層推進したいと考えております.本部門が魅力ある交流の場として部門活動への皆様の積極的なご支援・ご協力を賜りますよう,何卒よろしくお願い致します.

2. D&S部門主催 講習会・講演会開催報告

設計工学・システム部門では,学術の成果を還元するべく,設計に役立つ技術や,システム開発を加速する手法に関して,講習会・講演会を行っています.本特集では,最近行われました講習会・講演会の報告をご紹介します.

今後も,部門主催の講習会を随時開催してまいります.どうぞ奮ってご参加ください.

3. 主催・共催・協賛行事の案内

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