ニューズレター

このページでは,設計工学・システム部門 Newsletter No.37の内容をお届けします (2012年9月発行) .

発行:2012/09/15
ページ製作・編集 D&S広報委員会

日本機械学会賞(技術)を受賞して

この度,設計工学・システム部門からのご推薦をいただき,「構造最適化技術に基づく高性能射出成形機用取出ロボットの開発」に対して日本機械学会賞(技術)を受賞いたしました.身に余る光栄と存じます.

射出成形は,パソコン・携帯電話・車・医療機器・食品容器・雑貨などの,プラスチック製品の大量生産を支える根幹技術です.射出成形工場は,世界中で365日24時間稼働しています.当社の取出ロボットは,射出成形機からプラスチック製品を取出す作業を行う搬送用ロボットで,取出時間がゼロに近いほど工場の生産性が上がることから,高速動作が求められます.

今回,機体の軽量化による動作の高速化をはかるため,ロボットの構造最適化を行いました.今回開発の構造最適化技術は,(1) 軽量化優先順位の決定(2)簡易モデルによる荷重条件の導出 (3)部品ごとのトポロジー最適化 (4)ロボット全体の構造解析による応力・変位分布確認 (5)操作性・メンテナンス性・製造性の確認及び耐久試験,からなります.本技術を用いて,ロボットの総重量を当社従来機種に比べて13%減少し,取出時間を11%短縮しました.

本開発は,京都大学大学院工学研究科西脇研究室との共同研究を通じて実現しました.西脇教授をはじめ,多くの関係者の皆様,また応援してくださった皆様に感謝申し上げます.

今回の受賞を励みにこれからも新しい技術開発に取り組んでいきたいと存じます.

株式会社ユーシン精機 小谷高代
株式会社ユーシン精機 新井裕之

fig.2
最適ロボット設計「HSA」

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