ニューズレター

このページでは,設計工学・システム部門 Newsletter No.37の内容をお届けします (2012年9月発行) .

発行:2012/09/15
ページ製作・編集 D&S広報委員会

第12回設計工学ワークショップ(The 12th Design Engineering Workshop 2012,DEWS2012)開催報告

1.開催概要とスコープ

2012年6月24日から27日にかけて,国際会議の第12回設計工学ワークショップ(The 12th Design Engineering Workshop 2012,DEWS2012)が開催されました.本ワークショップは,日本と韓国における設計工学分野の研究者が中心となり,毎年開催されているものです.2000年より毎年開催され,今年で12回目となります. 昨年は,日本機械学会・設計工学システム部門の主催により,佐賀県鳥栖市の産業技術総合研究所・九州センターにて開催されました.今年は,Sungkyunkwan University・Creative Design Instituteと,KSME・Production & Design Divisionの主催(日本機械学会・設計工学システム部門は共催)により,韓国SeoulのSungkyunkwan UniversityとDaejeonのDaejeon Convention Centerにて行われました.

2.トピックとセッション構成

本ワークショップでは,計5つのセッションから構成され,アカデミアおよび産業界から合計38件の発表が行われました.セッションの構成は,以下となります.(括弧の数字は発表件数).

  • Design & Strategy(6件)
  • Design & Service Innovation(9件)
  • Design & Kansei/Interaction(8件)
  • Design & System/Education(8件)
  • Design & Analysis(7件)

本ワークショップの特徴の一つとして,製品設計を対象とした教育や戦略に関する研究に加えて,感性やイノベーション,製品サービスシステムなど,様々な設計対象に関する議論が活発に行われていることが挙げられます.特に,Design & Service Innovationセッションでは,製品サービスシステムにおける環境調和型設計や,ビジネスモデルの構築方法,利害関係者間の矛盾解消法,コストシミュレーションなどに関する発表が行われました. また,本ワークショップは,アカデミアだけでなく産業界の研究者による発表も多数行われ,実務的な観点から設計工学研究における課題について,活発な議論が行われました.

3.受賞と感謝状

昨年度のDEWS2011講演者に対して,審査委員会による厳正な審査の結果,以下2件の賞が贈呈されました.また,基調講演を行ったDIPRO 加藤氏の貢献に対して,感謝状が贈呈されました.

  1. DEWS2011 Best Paper Award
  2. "Business Ecosystem Improvement for Platform Leadership: An Application of a Relation-Based Model to the Mobile ERP Industry in Korea." by Hejin Lee, Gyesik Oh, Yoo Suk Hong, Kwang-Jae Kim, Kwangtae Park, Taesun Yook, Dong-Wook Kim

  3. DEWS2011 Best Presentation Award
  4. "Case Study on Urban Umbrella Rental Product-Service Systems Design" by Yong Se Kim, Sang Won Lee, Jin Hui Kim.

  5. DIPRO 加藤氏 基調講演および感謝状贈呈
  6. 電気自動車の動向や開発最前線,自動車開発における最先端のプロセスイノベーションの方法論といった重要な内容を講演いただきました.平行して開催するKSMEの講演会からも,会場に入りきらないほど多くの参加者を集め,多くの反響がありました.インパクトあるご講演に対して,KSMEより感謝状が贈呈されました.

4.参加国の変遷と将来の議論

今年のDEWSでは初めて,台湾とシンガポールの大学から参加者がありました.台湾やシンガポールにおいても,設計に関係する国際会議は活発に開催されています.そこで,アジアを中心に設計を議論する,国際連携の可能性が議論されました.その結果,今後の具体的なアクションとして,新しい参加者を交えてディスカッションを行った結果,以下のような将来展望が話し合われました.

  1. 台湾で開催されるICIDM(International Conference on Innovative Design and Manufacturing, http://icidm.ie.nthu.edu.tw/)とのコラボレーション
  2. ⇒本年度より,Mini-DEWSを実施し,人的ネットワーキングを開始.

  3. アジアにおける設計会議への拡大
  4. シンガポール,マレーシア,インド,タイ,フィリピンなどといった,世界の製造現場を持つ国々へ,参加の呼びかけを検討する.

東京理科大学 木見田康治, 大阪大学 野間口 大, 山口大学 古賀 毅,
DIPRO 加藤 廣, 東芝 大富 浩一

fig.1

fig.2

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