ページ製作・編集 D&S広報委員会,2010年10月発行
The 12th International DSM (Dependency and Structure Modelling) Conference 参加報告
(大阪大学 野間口 大,東京大学 古賀 毅)
2010年 7月21日から23日までの3日間,イギリス ケンブリッジ大学のEngineering Design Center(EDC)において,The 12th International DSM Conference is held in Cambridge(DSM Conference 2010) ( http://129.187.108.94/dsm-conference/4.html )が開催された.DSM(Dependency and Structure Modelling)手法は,複雑なシステムを構成する要素に着目し,どのようにお互いが関係しあっているかを理解することに対し,威力を発揮する手法である.製品アーキテクチャや,組織,開発プロセスなどといった複雑なシステムを理解し,設計し,最適化することに有効である.国際DSM会議は,DSMを利用した実践者や研究者,ソフトウェアの開発者が集まり,経験を交換し,トレンドを議論し,ツールや適用ケースを共有しあう場として,開催されている.複雑なシステムをマネジメントするための,新しいアイデアや産業における問題点,見通しなどが報告された.
本国際会議は,合計3日間開催された.初日は,Professor Tyson Browningによるチュートリアルが半日かけて開催され,DSM手法の概要,アルゴリズム,適用例,最新の研究成果の概観とサーベイが報告された.また,講演論文の発表は,合計で39件行われ,シングルセッションで発表されたため,参加者は議論に集中することができた.ランチタイム前後には,ソフトウェア・ツールのデモンストレーションが行われ,参加者は実装されたシステムのデモンストレーションおよびディスカッションを行いながら,親交を深める良い機会となった.
DSM Conference 2010のメイントピックは,以下の通りである.
- Industrial Applications (Systems Engineering and Project Management)
- Automotive
- Architectural engineering and construction
- Aerospace
- Information technology / software
- Manufactured and consumer goods
- Plant Engineering
研究のトレンドとして,以下の内容が報告された.
- DSM approaches and methodologies
- DSM complementary approaches such as Domain Mapping Matrix (DMM)
- Multiple-Domain Matrix (MDM) approaches
- Systems Engineering, System Dynamics, General System Theory and others
- Applications of Graph Theory in Engineering
- Project management
- Organization design
- Market modeling
ケンブリッジでは,同じ週に1st International Conference on Modelling and Management of Engineering Processes (MMEP 2010)が開催されており,ジョイントの形で開催されたため,双方に参加する発表者が多く存在した. また,ポスターセッションと平行して,ソフトウェアやツールのデモンストレーションが行われ,設計でどのように有効活用できるのかを,触れながら理解できる機会が設けられた.
- Prototypes and research projects
- Commercially available tools
DSM Conference 2011は,日本において開催される予定である.日本からの積極的な参加が期待される.詳しくは,以下のページを参照されたい.
http://129.187.108.94/dsm-conference/dsm2011.html
会場のケンブリッジ大学 EDC(Engineering Design Center)
講演の様子
ケンブリッジ大学の中庭
ケンブリッジ大学内で開催されたカンファレンス・ディナー
カンファレンス・ディナーの様子
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