開催日時:2009年7月20~24日
会場:National Taiwan University of Science and Technology (NTUST), Taipei, Taiwan
主旨:Concurrent Engineering (CE) is concerned with designing products and services meeting requirements of their life cycle stakeholders.
ISPE International Conference on Concurrent Engineeringは,設計者がコンピュータソフトウエアを利用したコラボレーションやコミュニケーションにより,設計上のトレードオフを解決するための情報技術について議論する場として毎年夏季に開催されている.その16回目の会議CE2009は台湾のNTUSTで行われた.
CE2009は4日間開催され,初日はチュートリアルセッション,2日目から4日目まではキーノートとオーガナイズドセッション,一般講演により構成される.キーノートの中ではDr. Ming Ji, Wu(Department of Industrial Technology, Ministry of Economic Affairs)による招待講演が目先の違う政府系からのプレゼンテーションであり,情報技術を利用したService Designの研究プロジェクトを取り上げていた.またProf. Rajikumar Roy(Cranfield University)によるチュートリアルセッションでは,製品とサービスの融合により価値を提供する概念であるIPS2(Industrial Product-Service Systems)の特にコストに関するセミナーが行われ,本年4月に英国クランフィールドで行われたCIRP IPS2 Conferenceの考えが詳細に説明された.このように,キーノートやチュートリアルでサービスというキーワードが数多く取り上げられていたが,オーガナイズドセッションや一般講演でもサービス,リサイクル,サステナビリティといった製品のライフサイクル全体を包含した研究テーマが数多く見られ,現在の研究動向がライフサイクルに向いている点を示していると考えられる.
日本からの参加者は,チュートリアルセッションとService Solutionsのセッションではスタンフォードの福田収一教授,Multi-Disciplinary Design and Optimizationで電通大の石川晴雄教授,井上全人助教のグループ,Design for Sustainabilityのセッションで産総研の三島望氏,また筆者がオーガナイズしたDesign Knowledge Utilizationのセッションでは東大の田中謙司助教がそれぞれ研究発表を行った.
この会議の今後の予定としては,来年のCE2010は9月8日から12日にCracow(ポーランド),再来年のCE2011はMIT(米国)で開催される予定である.スタンフォード大学の福田収一教授がCE2010のProgram ChairおよびCE2011のGeneral Chairを務められる.次回のCE2010が行われるCracowの旧市街は世界遺産にも登録された中世の趣を残した美しい街であり,日本からも多数参加されることを願う.
以下に関連するサイトへのリンクを示す.
- CE2009: http://rfid.ntust.edu.tw/CE2009/index.htm
- CE2010: http://www.ce2010.pl/
稗方 和夫(東京大学)
hiekata @ nakl.t.u-tokyo.ac.jp
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